ニッケ全日本テニス選手権83rd
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ニッケ全日本テニス選手権84th 男子シングルス優勝 添田豪選手 ニッケ全日本テニス選手権84th 女子シングルス優勝 奈良くるみ選手 ニッケ全日本テニス選手権84th 男子ダブルス優勝 岩渕 聡選手/松井 俊英選手 ニッケ全日本テニス選手権84th 女子ダブルス優勝 浜村夏美選手/米村知子選手 ニッケ全日本テニス選手権84th 混合ダブルス優勝 植木竜太郎選手/クルム伊達公子選手

お知らせ

ニッケ全日本テニス選手権84thは大盛況のうちに終了いたしました。応援ありがとうございました。


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添田の連覇なるか。本村、岩渕、森上は有終の美を飾れるか[11月5日]

第84回ニッケ全日本テニス選手権は東京・有明で11月7日(土)に開幕する。天皇杯(男子シングルス)と秩父宮妃記念楯(女子シングルス)をかけた国内最高峰の戦いは、今回、天皇陛下御在位20年記念大会として開催される

男子では昨年覇者の添田豪(ミキプルーン)、過去3度優勝の鈴木貴男、09年のデビスカップで代表を務めた伊藤竜馬(フリー)、杉田祐一(三菱電機)など、故障でリハビリ中の錦織圭(ソニー)を除く国内トップクラスが勢揃いした。世界ランクで日本人トップの添田を中心に、ベテラン勢と新鋭が入り乱れての激しい優勝争いが予想される。

一方の女子は、世界ランクで日本人トップの森田あゆみ(キヤノン)は欠場するものの、全米で四大大会初出場を果たした瀬間友里加(ピーチ・ジョン)や09年フェド杯代表の藤原里華(北日本物産)、さらに若手プロの奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)、土居美咲(TEAM自由が丘)らが出場する。昨年の女子シングルス覇者クルム伊達公子(エステティックTBC)は混合ダブルスのみエントリーしている。

また、長くデ杯代表を務めた本村剛一(北日本物産)と岩渕聡(ルネサンス)、くろうと好みの渋いテニスを見せた茶圓鉄也、フェド杯代表として活躍した森上亜希子(ミキハウス)はすでに今季限りでの引退を表明しており、この全日本が最後の公式戦となる。これまでにシングルスで4度優勝の本村、同じく2度優勝の岩渕とも、タイトルをもう一つ積み重ねて有終の美を飾りたいところだろう。シングルスでは全日本のタイトルをまだ獲得していない森上は「最後にぜひ優勝したい」と意欲を燃やしている。

なお、岩渕はダブルスでも過去7度優勝しており、計9回の優勝は歴代2位タイ。今回、単複いずれかで優勝すれば、優勝回数は単複混合で計10回となり、鵜原謙造と並んで男子の歴代1位タイとなる。また、松井俊英(ソニー)とのペアでは過去3度優勝しており、今回、4度目の優勝を飾れば男子のペアとしての最多記録となる。

若手の活躍にも期待したい。男子では高校総体のシングルスを制した遠藤豪(四日市工業高校)、全日本ジュニア18歳以下覇者の江原弘泰(Fテニス)、海外でも活躍した関口周一(クリエイトTA FTC)、女子では全日本学生で優勝した高畑寿弥(相愛大学)、全日本ジュニア18歳以下優勝の伊藤夕季(ビッグK)がワイルドカード(主催者推薦)で本戦シングルスに出場する。

会場は有明コロシアムおよび有明テニスの森公園テニスコート。男女シングルスはともに48ドローで行われ、女子シングルスは7日から、男子シングルスは9日(月)からのスタート。女子シングルスと混合ダブルスの決勝は14日(土)、男子シングルスと男女ダブルスの決勝は15日(日)の予定。(秋山 英宏)

11月7日 本戦第1日

全日本選手権はいよいよ本戦がスタート、この日は女子シングルス1回戦などが行われた。今大会が現役最後の公式戦となる森上亜希子(ミキハウス)は手塚玲美(フリー)を破って2回戦に進出。大学生と高校生の対戦となったセンターコート第1試合では、青山修子(早稲田大学)が石津幸恵(土浦日本大学高校)を破った。

女子ダブルス1回戦では、10代ペアの土居美咲/奈良くるみ組が1回戦を突破した。今大会を最後に引退する茶圓鉄也(ミキプルーン)は、男子シングルスA予選決勝で成瀬廣亮(早稲田大学)に3セットで敗れた。



「今できることはできた」。茶圓、最後の全日本に悔いなし

○成瀬廣亮(早稲田大学) 6-2,3-6,7-5 ●茶圓鉄也(ミキプルーン)

茶圓鉄也選手

茶圓が20年連続の本戦出場をかけて、成瀬と戦った男子シングルス予選A決勝は、白熱した試合となった。スピードに溢れるテニスが持ち味の成瀬に対して、茶圓が様々なペースを操って試合をコントロール。フォアはフラット、バックはスライスが茶圓のテニスだが、その中でも深さや高さ、角度を操って成瀬にペースを与えない。百戦錬磨のベテランらしいプレーを存分に見せつけた。

第1セットは成瀬が先行したが、展開を支配していたのは茶圓だった。成瀬は低く伸びる茶圓のスライスに苦しみ、バックハンドをたびたびネットにかけた。それならとフォアにボールを集めればフラットでたたかれ、なかなか持ち前の攻めを見せられない。結果としてセットは取ったが、茶圓のミスに助けられた印象も強かった。

第2セットに入って、茶圓の動きに切れが出始めた。第1セットでは浮き気味だったスライスが鋭く伸びて成瀬の足下を襲い、フォアのフラットはコートの端を削った。第1ゲームの成瀬のサービスゲームをいきなりブレークすると、そのままペースを掌握。第9ゲームではフォアでリターンエースを連発し、再びブレークして試合をイーブンに戻した。

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[女子シングルス1回戦]森上亜希子 vs 手塚玲美

○森上亜希子(ミキハウス) 7-6(5),6-2 ●手塚玲美(フリー)

森上亜希子選手

「どの大会も1回戦は難しい。とにかく結果がついてきたのでよかった」。この大会を最後に引退することを表明している森上が、試合後の記者会見で苦笑した。最後の挑戦で何としてでも全日本のタイトルを取りたいという気持ちが、第1セットでは空回りした。元世界ランキング41位らしくないプレーで、JTAランキング25位、同年代で過去2戦2勝の手塚を相手に、タイブレークまで持ち込まれる大苦戦だった。

立ち上がりは悪くなかった。第1ゲームをブレークする幸先の良いスタート。2ー1で迎えたサービスゲーム。手塚にポイントを先行される苦しい展開の中、バックハンドのエースを決めて追いついた森上が「カモン」と気合を入れた。ギアを一段上げて一気に乗っていくかと思わせた場面だったが、その後はミスが続いて、3度のデュースの末にサーブを落とし2ー2とされた。緩いボールを多用する手塚のペースにも惑わされ、気持ちのはやる森上がミスショットを連発した。

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本戦第2日の見どころ:大会序盤の呼び物、ダブルスサンデー!

大会2日目は「ダブルスサンデー」。男女ダブルスの上位シードが続々、センターコートに登場。“プロのダブルス”を堪能できるスケジュールになっている。中でもコンビとして熟成している添田豪(ミキプルーン)/岩見亮(北日本物産)組と、昨年の優勝ペア岩渕聡(ルネサンス)/松井俊英(ソニー)組のプレーに注目したい。しかも、両ペアとも対戦相手もダブルス巧者だけに、熱戦が期待される。ボールを囲むように有機的に動く、プロならではのダブルスの醍醐味を味わってほしい。

女子シングルスは1回戦。全日本ジュニアなどジュニアのタイトルを総なめにし、主催者推薦を得て出場した伊藤夕希(ビッグK)が元学生チャンピオンの井上明里(早稲田大学)と対決する1番コート第1試合をはじめ、注目カードが各コートに。今年のインカレを制した高畑寿弥(相愛大学)など、大学生選手の戦いぶりも注目だ。(浅岡隆太)



[11月8日 大会第2日]

大会第2日を迎えた全日本選手権。この日の観客は「ダブルスサンデー」を楽しんだ。シングルスではまだ初戦を迎えていないトップ選手が、ひと足先にダブルスで大会に登場するという、全日本ならではの趣向だ。

岩渕聡選手

男子では、昨年の優勝ペアで第2シードの岩渕聡(ルネサンス)/松井俊英(ソニー)組、第3シードの岩見亮(北日本物産)/添田豪(ミキプルーン)/組がセンターコートに登場、ともに完勝で2回戦進出を決めた。

女子の第1シード、手塚玲美(フリー)/米村明子(コサナ)は、井上摩衣子(テニスユニバース)/萩本愛里(フリー)を7-5,6-3で振り切り、2回戦に勝ち進んだ。



3連覇を目指す岩渕/松井組が完璧なスタート
11月7日 センターコート第3試合 男子ダブルス1回戦
  • 岩渕聡(ルネサンス)
    松井俊英(ソニー)
  1. 6-0
  2. 6-2
  • 佐藤博康(コサナ)
    杉田祐一(三菱電機)
×

岩渕と松井のペアは5年目に入り、この全日本は過去3勝で2連覇中。今大会も優勝が期待されている。1回戦の相手はダブルスで実績のある佐藤と、期待の若手である杉田のコンビ。国内のフューチャーズで2度ベスト4を記録する強敵だ。

しかし、意外にも試合は一方的となった。「1回戦にしてはタフな相手だったので、逆に気を引き締められた。いい試合ができた」と岩渕。その言葉通り、試合はほとんど岩渕/松井のワンサイドマッチで、許したブレークポイントは3回だけ。それもサービスエースであっさりとしのいで見せ、ピンチらしいピンチはほとんどなかった。ほぼ完璧な内容だった。

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本戦第3日の見どころ:森上は飯島と対戦。WCの江原、関口、遠藤はどんな戦いを見せるか

大会は早くも3日目。今大会を最後に引退を決めている森上亜希子(ミキハウス)は2回戦で第11シードの飯島久美子(北日本物産)と対決する。飯島は粘り強く戦うファイターで、昨年は一時、WTAランキングを196位まで上げた実力派。今季はやや不振でランキングは落としてしまったが、森上と同じく両サイド両手打ちのスタイルから、力強いボールを安定して打ち続けられるのが武器だ。優勝を目指す森上にとっては、ひとつの試金石となるだろう。

男子もいよいよシングルスがスタートする。注目は主催者推薦(ワイルドカード=WC)の3人。全日本ジュニア優勝の江原弘泰(Fテニス)とグランドスラムジュニアなどで活躍した関口周一(クリエイトTA FTC)、インターハイ個人戦シングルス優勝の遠藤豪(四日市工業高校)など、次代を担う存在と目される若手がそろい踏みする。

女子シングルスは2回戦に入り、実力者同士のカードが増える。センターコートはもちろん、外のコートでも好カードが目白押し。有望な若手を探すもよし、ベテランのうまさを堪能するもよし。大会序盤ならではの、にぎやかな雰囲気を堪能してほしい。(浅岡隆太)



[11月9日 大会第3日]

暖かな好天の続く東京・有明。この日はいよいよ男子シングルスが開幕。江原弘泰(Fテニス)、関口周一(クリエイトTA FTC)、遠藤豪(四日市工業高校)と、主催者推薦出場の高校生トリオがそろって1回戦を突破した。女子シングルスでは、第2シードの波形純理(北日本物産)が順当に初戦の2回戦を突破。森上亜希子(ミキハウス)は第11シードの飯島久美子(北日本物産)をストレートで下し、3回戦進出を決めた。



森上、硬軟織り交ぜたショットで飯島を翻弄
11月9日 センターコート第2試合 女子シングルス2回戦
  • 森上亜希子(ミキハウス)
  1. 6-3
  2. 6-3
  • 飯島久美子(北日本物産)
×
森上亜希子選手

「一番いい時の6割程度の出来」と森上は言う。しかし、調子が上がり切らない段階でも、一つのラリーの中で様々な球種を使い分けて相手に自由にスイングさせず、試合をまとめあげてしまうのは、やはりさすがというべきだろう。

コイントスに勝ってサーブを選択したのは飯島だったが、最初のゲームでそのサーブが乱れた。森上はそれを見逃さずリターンでプレッシャーをかけ、いきなりブレークしてペースを掌握した。

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接戦にも余裕。18歳江原が2年連続1回戦突破!
11月9日 第1コート第1試合 男子シングルス1回戦
  • 江原弘泰(Fテニス)
  1. 7-5
  2. 7-6(3)
  • 加藤季温(北日本物産)
×
江原弘泰選手

本戦序盤に多い新旧対決。ウィンブルドンジュニアでベスト16、今年の全日本ジュニアを制した江原は「気合」を座右の銘とする18歳。加藤はJTAランキング27位、多彩なテクニックと関西弁を駆使して試合をコントロールする。気合ではひけを取らない円熟の29歳。

江原の身上はベースラインからの攻撃的ストローク。そのフォアハンドは、速い球を打つのは腕力だけじゃない、体の使い方次第でこれだけ正確に強い球を打てるという、よいお手本だ。

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18歳土居美咲が苦しみながらも初戦を突破
11月9日 第1コート第2試合 女子シングルス2回戦
  • 土居美咲(TEAM自由が丘)
  1. 4-6
  2. 7-5
  3. 6-4
  • 大西香(ノアインドアステージ)
×
土居美咲選手

どの選手も大会の初戦は難しいと口をそろえる。まして、相手は園田学園女子大学時代の2007年には全日本学生室内で優勝している試合巧者の大西。第6シードとして2回戦から登場した18歳の土居に、厳しい試合が待っていた。第1セットは2度、先に相手サーブを破りながら、ダブルフォールトを連発してサービスゲームを3度ダウン。第2セットもブレーク直後にブレークバックされる苦しい展開で、なかなか本来のリズムをつかめなかった。

ようやく本来のプレーが戻ったのは第2セットの終盤。5ー5から得意のフォアが決まって相手サーブを破ると、そのまま押し切って1ー1のセットオール。最終セットでは主導権を握り、4度目のマッチポイントでバックハンドをダウンザラインに決めて、利き腕の左手で力強いガッツポーズを披露した。

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本戦第4日の見どころ:男女のシード勢が登場!クルム伊達は混合ダブルスに出場

大会も4日目となり、男女シングルスが2回戦、混合ダブルスもスタートする。シングルスでは上位シード勢が続々と登場し、好カードぞろいの1日となる。

男子の第1シード添田豪(ミキプルーン)は、元学生王者の吉備雄也(三菱電機)を破って勢いに乗る高校生、遠藤豪(四日市工業高校)と対戦する。添田は前年優勝者で、日本のナンバー1。しかし、チャンピオンとして迎える全日本は初めてだけに、初戦のプレッシャーも小さくはないはず。遠藤が添田を恐れることなく、純粋な気持ちで挑めば、接戦に持ち込める可能性もある。

女子第1シードは瀬間友里加(ピーチ・ジョン)。相手の樋口由佳(びわこ成蹊スポーツ大学)は予選勝者だが、1回戦で今年の大学チャンピオン高畑寿弥(相愛大学)との接戦を制してきているだけに油断はできない。

センターコート以外でも、鈴木貴男(高木工業)、岩渕聡(ルネサンス)、奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)などが1番、2番コートに登場する。円熟のベテラン勢、フレッシュな若手のプレーを間近で見られるチャンスだ。

先週はバリのWTAツアー大会でベスト4と活躍したクルム伊達公子(エステティックTBC)は、植木竜太郎(伊予銀行)と組んでミックスダブルスにエントリー。センターコート第4試合で平知子(島津製作所)/小山裕史(TTC)と1回戦を戦う。すべてのテニスファンにとって、最終試合まで見どころ満載の一日となるだろう。(浅岡隆太)



[11月10日 本戦第4日]
岩渕聡選手

この日、初戦を迎えた男女の第1シードが明暗を分けた。男子の第1シード添田豪(ミキプルーン)は、主催者推薦で出場の高校生、遠藤豪(四日市工業高校)を圧倒したが、女子第1シードの瀬間友里加(ピーチ・ジョン)は体調不良のため、試合途中で棄権。予選から出場の樋口由佳(びわこ成蹊スポーツ大学)が3回戦に進んだ。また、男子の第3シードで過去3度優勝の鈴木貴男(高木工業)が予選勝者の成瀬廣亮(早稲田大学)に敗れる波乱があった。女子の第3シード、17歳の奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)は北崎悦子(フリー)をストレートで破り、3回戦進出を決めた。今大会で現役を引退する第12シードの岩渕聡(ルネサンス)も完勝で3回戦に進んだ。


男子第1シードは連覇に向け順調に「Go!」
添田豪選手

センターコートの第2試合はディフェンディングチャンピオン添田豪(ごう)の初戦。相手は今年のインターハイチャンピオンの遠藤豪(たけし)。すでに1回戦で25位の吉備雄也(三菱電機)を下してきている。遠藤の多彩なテニスがどこまで添田を苦しめるか、に注目が集まった。

審判台左側の、まぶしいサイドから添田サーブで試合開始。遠藤はスライス、回り込みの強打、カウンターショットなどを駆使して、最初からフルスロットルのラリーを展開する。添田はフォアをひっかけるミスが目立ち、やや粗っぽい印象だが、自分のミスは自分で取り返し、もつれるゲームを確実に締めていく。


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波乱相次ぐ。瀬間(友)、無念の棄権。鈴木(貴)は成瀬にストレート負け
鈴木 貴男選手

前年準優勝者にして、大会第1シード。先の全米ではクルム伊達らを破って厳しい予選を突破、最新ランキングも148位と上げてきた。瀬間友里加は堂々の優勝候補として全日本に戻って来たはずだった。しかし、不運が彼女を襲った。体調不良で途中棄権。その後、インフルエンザに感染していたことが分かった。

瀬間の様子は最初からおかしかった。好天に恵まれ、汗ばむほどの陽気だというのに、長めのスパッツに長袖のシャツを着込み、足もまったく動いていなかった。どうにかプレーを続けようとしていた瀬間だったが、相手の樋口のプレーにはブレがなく、第2セット、1ー1となったところで棄権した。


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目標は優勝。第3シードの奈良が上々のスタート
奈良くるみ選手

4度目の全日本で初めてシードがついた17歳の奈良。第3シードの座り心地を「すごく変な感じというか、シードまできたんだなというのが実感」と話す。前回まで2年連続で準々決勝に進んでいるが、07年は準優勝の波形、昨年は優勝したクルム伊達に敗れているだけに「去年までは1回、1回の試合に集中していたが、今年は優勝目指して頑張りたい」と掲げる目標は明確だ。

上々の調子で臨んでいる。初戦となった2回戦では、立ち上がりから切れのあるショットが決まって相手の北崎を振り回した。第1、第2セットとも5ゲームを連取、そこからともにサービスブレークを許す甘さも出たが、最後は北崎のサーブをブレークして1時間5分で試合を締めた。「初戦にしては落ち着いて入れた。60~70%は出せた」と自分でも納得の出来だった。


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“大人”の貫禄、近藤のネットプレー鮮やか!
近藤大生選手

全日本ジュニア優勝者に本戦ワイルドカードが出るようになって久しい。高校時代の99年、00年にワイルドカードでこの大会に出場、2年連続準々決勝まで進んだ近藤だが、全日本での成績はその2回が最高。今シーズンはフューチャーズ初優勝を果たしており、全日本にも期するものがあっただろう。江原にしても、昨年はジュニア覇者の守屋宏紀(現在北日本物産)が準決勝に進出しているだけに、「自分も」と思ったに違いない。コートサイドには、その守屋、関口周一(クリエイトTA FTC)ら同世代のライバル達も顔をそろえた。

屈指のダブルスプレーヤーでもある近藤は、積極的にネットを取る。江原のフォア強打をすかしつつ、ワンチャンスを逃さない。最初のブレークこそ江原に許したが、ワイドに振ってアングルに決めるネットプレーでたちまちブレークバック。配球の流れを読んだネットプレーには大人の貫禄を感じる。「なんでだよ!」。ふかした球を目で追い、江原は天を仰いだ。第1セットは3度のサービスブレークで近藤の6ー3。


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大会第5日のみどころ:森上ー土居、本村ー関口。ベテランと若手の激突に注目

女子シングルスは3回戦。勝てばベスト8となる。奇しくも若手とベテランが激突するカードが多いが、注目は何と言っても森上亜希子(ミキハウス)対土居美咲(TEAM自由が丘)の一戦だろう。

現役最後の大会として全日本を選び、徐々に調子を上げている森上。ヒザに抱えた爆弾も「大会中は忘れることにした。痛みがないわけではないが、最後の大会だから、やれることは全部やろうと思っている」と話し、今の自分が持っている力の全てを出すことだけ考えているという。森上が実力を出し切れれば、当然優勝に届く。毎日入念に体のケアをして体調を整え、試合直後に次の対戦相手の偵察にも動くなど、この大会の森上は100%本気だ。

一方の土居は森上戦に向けて「お互いに緊張して臨む試合になると思うけれど、自分がチャレンジャー、とにかくチャレンジするつもりで戦う」と話している。こうした戦いは、無心になれた方が強い。若手の勢いは、時に思わぬ番狂わせを生む。土居が先にリードを奪う展開に持ち込めれば、森上の焦りを引き出せる可能性もある。まずは序盤の主導権争いが注目となるだろう。

男子シングルスは2回戦。森上と同じく、今大会での引退を決めている本村剛一(北日本物産)は、ジュニアの関口周一(クリエイトTA FTC)と対戦する。関口は1回戦で、全日本準優勝の実績を持つ權伍喜(フリー)をフルセットで下して勝ち上がった。粘り強さと高いスピードを併せ持つ若い関口が、本村を相手にどんなテニスを見せられるか。関口は、負けても失うものはない。過去に4度も全日本を制した本村から吸収するものは全て得るつもりで戦ってほしいところだ。(浅岡隆太)


[11月11日 本戦第5日]
波形純理選手

大会開幕後、初めて雨に見舞われた東京・有明。男子ダブルスなど一部の試合は味の素ナショナルトレーニングセンターで試合を行ったが、予定されていた男子シングルス2回戦、女子ダブルス準々決勝は翌日に順延となった。女子シングルスは3回戦を行い、第2シードの波形純理(北日本物産)が秋田史帆(Team Rising Sun)を破り、準々決勝進出を決めた。第3シードの奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)は、青山修子(早稲田大学)を2時間半の熱戦の末に振り切った。今大会を最後に引退する森上亜希子(ミキハウス)は、第6シードの土居美咲(TEAM自由が丘)に圧勝した。


森上が新鋭土居美咲に完勝し、ベスト8に進出
森上亜希子選手

「1回戦、2回戦より格段に良くなった」と森上は語った。土居に許したのはわずか3ゲーム。サーブはたった一度しかキープさせなかった。ほぼ完璧な内容と言っていいだろう。それでも森上は「2ブレークされたことと、第2セットでファーストサーブの確率が落ちたのは課題。試合の中で修正していけるようにしたい」と振り返る。現役最後の舞台だけに、勝つことはもちろんだが、自分のプレーに対する要求も高いのだろう。今の自分にできる全てをコート上で表現したい。今大会の彼女からは、そんな強い気持ちを感じる。

レシーブを選択した森上は、最初の土居のサーブをいきなりブレークし、次のサービスゲームではエースを連発。序盤からペースを完全に掌握した。土居は得意のフォアで打開しようとしたが、森上はすぐに対応してバックを攻め、時には正面から受け止めて逆襲した。


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奈良くるみが苦しみながらも3年連続の8強入り

6-4で終わった第1セットだが、10ゲームのうち7ゲームがデュースに持ち込まれ、このセットだけで63分間を要した大熱戦。屋根を閉じたセンターコートで行われた高校生プロ・奈良と、学生ランキング1位の21歳・青山の対戦は、スコアの数字以上に競った濃密な内容があった。

攻める奈良、しのぐ青山--。奈良のサーブを3度目のデュースで青山がブレークして始まった試合は、ゲームの流れが2人の間をいったりきたりした。第1セットは5-4からの青山のサーブをブレークして奈良が先取。しかし、ブレーク合戦となった第2セットでは、中盤から青山が主導権を奪った。自分のサービスとなる第10ゲームで3度、第12ゲームでも2度のセットポイントを握った。


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大会第6日のみどころ:男子3回戦の三橋-松井、女子準々決勝の奈良-藤原が注目カード

男子シングルスは、雨天順延となった2回戦の残り試合と、ベスト8の座をかけた3回戦が一気に行われる。その中で、今シーズン躍進目覚しい第7シード三橋淳(北日本物産)の試合に注目したい。相手は06年の準優勝者で第9シードの松井俊英(ソニー)と申し分ない。

三橋は165cmと小柄ながら、切れ味鋭いショットを武器に世界を回っている。他の日本人選手が滅多に行かない地域の試合にも、よく顔を出す。雨天で試合のなかった11日は有明のピロティでボクシングスタイルのジムワークを行うなど、練習も個性的だ。10月の柏フューチャーズでは単複優勝、上り調子で今大会を迎えている。その柏フューチャーズ、準決勝で二人は対戦している。6-4,6-3で敗れた松井にとっては捲土重来の一戦。ウイルス性結膜炎のハンディを背負うが、9度目の全日本、「一度は取りたい」という意識は当然あるだろう。お互いに持ち味を出した攻撃的な試合を見たい。

女子シングルスは準々決勝。第3シード奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)には初の4強入りがかかる。立ちふさがるのは、01年の覇者で第5シードの藤原里華(北日本物産)。女子の出場選手中最多の全日本シングルス26勝の実績。相手にとって不足はない。最近では8月の十勝帯広国際女子準決勝で二人は対戦。そのときは7-6,6-2で奈良が勝って決勝進出、波形純理(北日本物産)を破り優勝している。だが、会場は有明、そして全日本ということになれば緊張感も違う。ダブルス巧者の藤原がシングルス一本に絞っているのも、奈良にとっては不気味なところだろう。

雨の影響で、とりわけ男子シングルスは過密日程になった。選手によっては1日に2試合をこなさなくてはならない。コンディション調整能力も問われる大会中盤戦だ。(小島宣明)


[11月12日 本戦第6日]
伊藤竜馬選手

前日は一部の試合が雨で順延、この日も朝から厚い雲が空を覆ったが降雨はなく、予定通り日程を消化した。女子シングルスでは、第2シードの波形純理(北日本物産)が第12シードの米村明子(コサナ)に敗れる波乱があった。今大会での引退を表明している森上亜希子(ミキハウス)は高雄恵利加(北日本物産)に完敗し、現役生活にピリオドを打った。第3シードの奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)と第4シード米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)は準決勝に駒を進めた。男子シングルスは2回戦の残り試合と3回戦を行い、今大会を最後に引退する本村剛一(北日本物産)と岩渕聡(ルネサンス)はともに3回戦で敗れた。第1シードの添田豪(ミキプルーン)、第2シードの伊藤竜馬(フリー)は順当にベスト8に勝ち進んだ。


マッチポイントからの逆転劇。06年準優勝の松井に新鋭三橋が逆転勝ち
三橋淳

攻撃的なサーブ&ボレーを持ち味とする松井と、高い身体能力を生かしたカウンタープレーヤーの三橋。スタイルとしては対照的な二人の対決だけに、試合もシーソーゲームとなった。

第1セットはスピードを生かした三橋が取り、第2セットは緩急をつけて展開をコントロールした松井、互いにセットを取り合い、勝負は最終セットへ。先に5ー4としてマッチポイントを握ったのは松井だった。しかも松井のサービスゲーム。絶体絶命と言えた。しかし、「ちょっとヤバイなとは思ったが、次に自分が何をすればいいのかは分かっていた」と三橋は言う。


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引退を表明していた本村と岩渕がシングルスで敗退
本村、岩渕

ともに全日本のタイトルホルダーで、この大会を最後に引退を表明していた岩渕と本村がシングルスで姿を消した。ベテランの敗退を惜しむかのように、暖かだった前日までとはうって変わって、大会6日目は朝から冷え込んだままで、曇天から日が差すことはなかった。

この大会4度優勝の本村は、前日の雨の影響でこの日、2回戦と3回戦が組まれた。2試合目となる、昨年準優勝の伊藤との3回戦。1球ずつ気合を込めた声を発し、最後まであきらめずにボールを追いかけた。微妙な判定に大声を出すのも本村らしかった。ただ、長いラリーでは次第に伊藤に押され、振り回されると必死で体を伸ばしフォアをスライスで返す姿は、グリグリのトップスピンで攻めまくった往年には見られなかったシーンだ。


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「最高のテニス人生だった」。森上が敗れ、現役引退
クルム伊達公子選手

ワイルドカード森上対ノーシード高雄の準々決勝。しかしそれは引退をかけてシード勢を一蹴してきた元世界41位と、06年優勝者の注目の対決だ。寒空のセンターコート第2試合、森上の雄姿を見届けようと、多くの観客とメディアが詰めかけた。ひざ痛を押して出場している森上だが、見慣れないテーピングは左太ももに巻かれていた。

高雄が小気味よく攻め、森上がかわしながら高雄の甘い球を強いショットで逆襲する展開。第1セット3ー2までは競った展開となるが、森上の球ぎわが少しずつもろくなり、じりじりと離されていく。森上も中ロブを混ぜるなどペースを変えていくが、第1セットはそのまま6ー2で高雄が取った。


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大会第7日のみどころ:初優勝を目指す奈良が06年覇者高雄に挑む女子準決勝に注目

女子シングルス準決勝は、一方が奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)と高雄恵利加(北日本物産)の対戦、もう一方は米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)と米村明子(コサナ)の姉妹対決となった。注目は、奈良と高雄。初優勝を目指す第3シードの奈良は、準々決勝で01年のチャンピオン藤原里華(北日本物産)を下し、今度は06年のチャンピオンである高雄への挑戦となる。

共に小柄だが、速いテンポでの展開を得意とするファイター同士。試合はどちらがより多くコートの中に入って打ち込む機会を作れるか、あるいは先に角度をつけて展開できるかといった主導権争いがカギとなるだろう。「(準決勝に残った)4人の中で誰が優勝に一番執着心を持っているかだと思う。自分が一番かどうかはわからないが、自信はある」と奈良。熱戦を期待したい。

男子シングルスは準々決勝。注目は添田豪(ミキプルーン)と近藤大生(アイシン精機)の一戦だ。近藤は03年に起こした右肩の故障で丸2年を棒に振り、公式戦に戻ってきたのが05年の全日本。4年経った今、近藤はダブルスでいち早く結果を出し、現在のATPダブルスランキングは日本男子トップ。そして、今季はシングルスでもフューチャーズで優勝するなど完全復活したと言っていい。ジュニア時代には、そのスケールの大きなテニスで「次代のエース」と期待された。右肩の故障さえなければ、と思わずにいられない。スピードのあるストロークプレーが持ち味の添田に、ネットプレーを織り交ぜたオールラウンドプレーが武器の近藤。日本テニス界が生んだ二人の「天才」の対決は、今大会屈指の好カードと言える。(浅岡隆太)


[11月13日 本戦第7日]

朝から曇り空の東京・有明。夕方には冷たい雨が降り出し、一部の試合をセンターコートに移して日程を消化した。女子シングルスは準決勝を行い、決勝は第3シードの17歳・奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)と第4シード米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)の顔合わせとなった。男子シングルスは準々決勝を行い、第1シードの添田豪(ミキプルーン)は順当に準決勝に勝ち進んだが、第2シードの伊藤竜馬(フリー)は第11シード竹内研人(北日本物産)に敗れた。第4シード、21歳の杉田祐一(三菱電機)は19歳の守屋宏紀(北日本物産)との若手対決を制し、初の4強入り。第7シードの三橋淳(北日本物産)も初めて4強入りを果たした。


17歳の奈良くるみ、06年覇者・高雄恵利加に完勝
奈良くるみ選手

17歳の奈良が、06年の優勝者である高雄を相手に、ほとんど完璧な内容で勝ち切った。「最初からしっかり集中して入れた。試合ごとにだんだん良くなってきている」。試合後の奈良はそう振り返った。その言葉通り、奈良はファーストポイントからサービスエースを奪い、そのままラブゲームでキープして試合の主導権を握った。

「先に前に入って、早いテンポで返していくこと」をテーマに掲げる奈良。小柄で絶対的なパワーはないが、タイミングでそれを補うテニス。それには確かな打球感覚と身体スピード、瞬時の判断力が要求される。彼女のテニスを見ていてすぐに気づくのは、その打球音の鋭さだ。パワフルなスイングではないが、しっかりとしたインパクトを確保する。だから、短く大きな音がコートに響く。打点に力を集中する能力の高さは一級品と言っていい。さらに、動かされながらのショットでも、しっかりと打ち切れる。


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杉田が湘南工大附高の2年後輩・守屋に逆転勝ち

第1セットを4-1から逆転された杉田。「第1セットはスピード対決を挑んだけれど、彼の方がコースの変え方、ボールの深さとも上手でした」。だから第2セットでは思い切ってペースを落とし、守屋のバックハンドには高く弾むスピンを多く使った。今年はこれが5度目の対決で、これまでは速い展開が持ち味の自分のスタイルを貫いて2勝2敗。「きょうは勝ちにこだわった」と初めて自分のプレーを変えてみた。

この作戦が効果を発揮。攻め急ぐように力んだ守屋が、大事なポイントでミスを連発して自滅した。第2、第3セットとも相手サーブを2度ブレークする一方的な展開に、杉田も「相手が無理してくれた。ただ、あそこまで崩れるとは」と驚きを隠せなかった。「自分の可能性を探るという意味で、こういうテニスもできるのかと、視野が広がった」とも。


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竹内研人が第2シード伊藤竜馬を破り、初の4強入り
竹内研人選手

ほぼ順当な顔ぶれが残った男子シングルスだが、前日2試合を消化して初の8強入りした竹内の健闘が目立つ。この日の相手は第2シード、伊藤竜馬。「ファイトしてきます」と入った1番コートは、雨が舞い落ちる寸前だ。

最近では韓国のフューチャーズで対戦している両者。試合は6-3、6-1で伊藤の完勝。ジュニア時代からの成績、現在のランキングからも伊藤有利という見方が妥当だ。それゆえ先手がほしい竹内だが、第1セットの伊藤は安定していた。ボクシングで言えば“階級が違う”とでも表現したくなる重いストロークを打ち込む。しかし「立ち上がりからアンフォーストエラーが多く、何とか取れていただけ」と試合後の伊藤。本来の出来からは遠かったのだ。


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大会史上初のベスト4での姉妹対決は姉の知子が貫禄勝ち
米村知子選手

第4シードで27歳の知子と、第12シードで学年が一つ下の妹、明子。大会史上初となるベスト4での姉妹対決は、05年準優勝の知子がストレートで貫禄勝ちした。

知子が4度目の全日本準決勝なのに対して、明子は6度目の出場で初めての準決勝。第2シード波形純理(北日本物産)との準々決勝のプレーを見ていた姉は「思い切りのいいプレーをしていて、すごい強敵になる」と覚悟して臨んだ。


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大会第8日のみどころ:米村知と奈良の初優勝をかけた女子単決勝。新時代の幕開けを感じさせる男子単準決勝

女子シングルスの決勝は米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)と奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)の対決となった。ともに、勝てば全日本初制覇となる。

「全日本を取って、堂々と世界に行きたい」と語るなど、今大会中、何度もタイトルへの執着を言葉にしている奈良。対戦成績は米村が2勝1敗とリードしているが、その1敗が07年の全日本準々決勝。「(奈良は)あの時とは別人というぐらい強くなってるし、今は奈良さんの方がランキングも上。自分がチャレンジャーとして戦いたい」と米村は言う。米村は05年に森田あゆみに敗れて以来、通算2度目の決勝進出だけに、今度こそ、の思いも強い。「1年を通じて全日本を一番重要な大会だと考えて調整してきた。体調もテニスも万全です」と米村は言い切る。お互いに好調。激戦が期待できそうだ。

共に早いテンポで自分から展開を作っていく選手。どちらがストローク戦を制するか。奈良は「低くて速い米村さんのボールにどれだけ対応できるかがカギ。攻撃力が高い相手だけに、振り回して主導権を握り、自分が先手を取れるか」と話している。似た者同士の対決では、サービスの確率と精度が勝敗を分けることもある。サービス力では米村が上。奈良からすれば、リターンでどれだけ米村を崩せるか、自分のサービスゲームではどれだけ楽にキープできるかが課題となる。逆に言えば、米村はまずサービスキープ、そして、奈良のサービスを早めに攻略してしまうことが必要になる。

米村知子選手

男子の準決勝は、杉田祐一(三菱電機)対竹内研人(北日本物産)、添田豪(ミキプルーン)対三橋淳(北日本物産)という組み合わせ。昨年の王者添田に3人の若手という顔ぶれに、日本男子の新時代を感じるファンも多いはずだ。

杉田と竹内は過去2勝2敗のタイ。スピードの杉田と戦術の竹内。杉田はスピードだけでなく試合の中の対応力を身に付けつつあり、竹内は杉田対策を練った上でコートに立つはずだ。面白い試合になるのは間違いない。添田と三橋は、王者添田に若武者三橋が真っ向勝負を挑む展開になりそう。添田は大会期間中に「この大会では自分の力を見せつけて勝ちたい」と話していただけに、三橋のスピードに対しても正面から受けて止めて勝とうとするのではないか。男子ならではの迫力のある試合が期待できる。

ミックスダブルス決勝は、植木竜太郎(伊予銀行)/クルム伊達公子(エステティックTBC)組と篠川智大(亜細亜大学)/井上摩衣子(テニスユニバース)組が戦う。(浅岡隆太)


[11月14日 本戦8日]

小雨からくもり、さらに豪雨、薄くもりと、目まぐるしく天候が移り変わった今日の東京・有明。屋根を閉めインドアになった有明コロシアムで、女子シングルスと混合ダブルスの決勝と、男子シングルス準決勝2試合が行われた。女子シングルスは、第3シードの17歳・奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)が初優勝を飾った。男子は、第1シードの添田豪(ミキプルーン)が第7シードの三橋淳(北日本物産)を逆転で下し、優勝した昨年に続く決勝進出。第4シード、21歳の杉田祐一(三菱電機)は第11シードの竹内研人(北日本物産)を破り、初の決勝進出を果たした。混合ダブルス決勝では、植木竜太郎(伊予銀行)/クルム伊達公子(エステティックTBC)が初優勝した。


奈良くるみ、「狙って取った」初優勝。米村知子の猛攻をしのぐ
奈良くるみ選手

「全然緊張しなかったし、むしろ大勢の観客の前でプレーできるのが楽しみだった」。決勝後の会見。髪を下ろし、普通の17歳の姿に戻った奈良は、軽く微笑みながらそう話した。「狙って取りにいったタイトル。とはいえ、すごくうれしいですし、全日本のタイトルを取ってこれからプレーするのは自信になります」。誰もが平常心の維持に苦労する全日本も、彼女にとってはあくまでも通過点でしかない。彼女の顔はそう言っていた。

「サーブがカギ。自分から早めに攻めていく展開が作りたい」と前日の米村は話していたが、序盤はその思惑通りの展開。米村は最初のゲームから奈良のサービスに襲いかかった。そのプレーには躍動感があり、リズムに乗って奈良を攻めたてていく。奈良は防戦に精一杯で、サービスキープがやっと。「米村さんの気迫は凄かった」。奈良はそう振り返っている。


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三橋淳の攻撃を耐え続けた添田豪が逆転勝ちで決勝へ!
三橋淳選手

男子準決勝の第2試合。観客の多くが連覇を狙う添田のプレーを楽しみに来たはずだ。そのスタンドの6300余人のファンに「三橋淳ここに在り」とばかり、20歳の三橋が強烈な印象を与えた2時間50分の大熱戦だった。

三橋のテニスの教科書には「攻撃」の文字しかないようだ。ベースラインの後ろから、ベースラインの内側から、少々のミスがでようとお構いなしに、ひたすら強打を打ち続けた。ほとんどつなぎのショットがない三橋の攻撃的なプレーに、終始、受け身に立たされた添田が耐えた。世界ランクは添田の152位に対して三橋は418位。どちらが格上か分からない展開が第2セット終盤まで続いた。


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杉田祐一が念願の決勝進出。竹内研人を破る
杉田祐一選手

若手が多く集まったブロックを安定した力で勝ち上がってきた杉田、第2シード伊藤竜馬(フリー)を含む二人の「いとう」を降した技巧派の竹内。学年では竹内が一つ上だが、05年全日本ジュニア18歳以下決勝(竹内の勝利)を含め、4回顔を合わせている。お互い、手の内はわかっている。

最初に仕掛けたのは竹内、1ー1から主導権をとるべくサービスダッシュ。しかし、これは杉田の予期するところだった。トップスピンロブで切り返し、ポイントを許さない。2度目のデュースののち、杉田が最初のブレークに成功した。竹内は前日の準々決勝、伊藤(竜)戦で多用したドロップショットを繰り出せない。ベースラインでの打ち合いは、やはり杉田が優位。フォア、バックともワイドに振るショットがピンポイントに決まる。杉田の強さが目立った第1セットは6ー2。


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混合ダブルス決勝

クルム伊達の話「(女子単複、混合複の)3冠は目標にしていたわけではない。今年の全日本を考えた時、ミックスをやればいい練習になると思ったまでで、(3冠は)結果的についてきた」


大会最終日のみどころ:王者の貫禄を漂わせ始めた添田豪に杉田祐一が挑む
添田豪選手

男子決勝は前年優勝者で第1シードの添田豪(ミキプルーン)と、第4シードの杉田祐一(三菱電機)の対決となった。共に技術的なバックボーンのしっかりとした技巧派でありつつ、パワーとスピードを兼ね備えたオールラウンダー同士。内容の濃い試合が期待される。

技術、体力ともに上がり、結果も出してきている添田は、準決勝で三橋淳(北日本物産)が見せた日本人離れした猛攻撃に耐え、最後は押し切るうまさを見せつけた。「年齢的に下の選手たちが増えてきたが、彼らのプロ意識の強さには見習うべき部分も多い。いい刺激を受けているし、負けたくない。もっと引き離したいという気持ちもある」と添田は言う。杉田との決勝に関してもまったく油断はない。「しっかりと戦っていかないといけないと思う。単複優勝を成し遂げたい」と意欲は強い。

杉田も優勝を渇望している。竹内研人(北日本物産)との準決勝では「勝ちたいという気持ちが強すぎて感情を抑え切れなかった」と後に反省するほど、フラストレーションを爆発させる場面があった。杉田の世代は有望株が揃う黄金世代。杉田も同世代には負けたくないとライバル心は強烈だ。「去年は(同世代の)伊藤竜馬が決勝で添田さんと戦った。今年は自分が頑張りたい」と闘志を燃やしている。

男子ダブルスはベテラン勢同士の対決となる。同一ペアとしては史上最多となる通算4勝目を狙う岩渕聡(ルネサンス)/松井俊英(ソニー)組と、過去2度決勝に進みながら2度とも準優勝に終わっている岩見亮(北日本物産)/添田豪(ミキプルーン)組の対戦だ。ネットでの攻防を得意とする岩渕/松井に対し、後ろからの攻撃力の高い岩見/添田がどう戦い切るかに注目したい。また、長年、日本男子を牽引してきた岩渕は、これが現役最後の試合。その意味でも見逃したくない対決だ。

女子ダブルスはノーシードの伊藤和沙/平知子(ともに島津製作所)組が、第2シードの浜村夏美(フリー)/米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)に挑む。ダブルスの経験、実績ともに勝る浜村/米村の優位は動かしがたいが、伊藤/平の熟成度は高く、強豪ペアを相手に勝ち抜いての決勝進出だけに軽視はできまい。(浅岡隆太)


[11月15日 大会最終日]

大会最終日の有明は暖かな好天に恵まれた。男子シングルスは第1シードの添田豪(ミキプルーン)が、第4シード、21歳の杉田祐一(三菱電機)の初優勝を阻み、2連覇を達成。男子ダブルスは岩渕聡(ルネサンス)/松井俊英(ソニー)が3連覇。岩渕は全日本のダブルスでは8度目のタイトルとなり、最多記録を更新した。女子ダブルスでは浜村夏美(フリー)/米村知子(ASIA PARTNERSHIP FUND)組が優勝した。米村は07年以来2年ぶり、浜村は初めてのタイトルとなった。本村剛一(北日本物産)、岩渕聡(ルネサンス)そして森上亜希子(ミキハウス)と、日本テニスを支えてきた3人の選手を第二の人生に送り出し、大会は閉幕。第84回全日本選手権は、大きな節目の大会となった。


添田豪が2連覇。初優勝を狙った杉田祐一にストレート勝ち

決勝戦にはありがちだが、スタンドの観客にとっては胸のすくような試合ではなかったかもしれない。25歳の添田からも、21歳の杉田からも、勝ちたいという強い思いが伝わってくるプレーぶりだった。ラリー戦では相手の出方をうかがうような打ち合いが続き、先に仕掛けた方がカウンターを食らってポイントを失った。それが一層、両者のプレーを慎重にさせた。

重苦しい雰囲気の中で、先に相手サーブを破ったのは添田。第1セットは第2ゲームでブレークすると、その後は手堅いプレーで押し切った。第2セットでも第5ゲームで杉田のサーブを破って主導権を握った。その流れが変わったのが、5ー4で迎えた添田のサービスゲームだ。


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女子ダブルスは浜村/米村が優勝。浜村は初の全日本タイトル

「今日は美味しいご飯食べよう」。最後のチェンジエンドのとき、米村が浜村にささやいた。「昨夜は緊張でご飯の味がしなかった」と浜村。「最初に決勝に出た時は、喜んでいるうちに終わってしまった。2回目もダメで、今回は緊張していました。パートナーも米村さんだし」。06、07年と2度の準優勝、浜村にとっては悲願の初タイトルだった。試合終了後、「米村さん、ありがとう。緒方コーチ、毎日治療してくれたトレーナー……」、そこまでスピーチして、浜村は言葉に詰まった。昨年暮れから4月まで、ひざの故障で歩くのにも不自由した日々がよみがえったのだろう。

前日、シングルス決勝で敗れた米村は「シングルスを落とした以上、ダブルスはどうしても取る、落ち込むことなくタイトルに執着するのがプロ」と、逆に闘志が燃えたという。セットポイント、マッチポイントとも米村のポーチ、“いいとこどり”で栄冠に輝いた。「相手はダブルスを熟知しているけど、勝ちたいのは私たち。経験を生かすことができた。今回も初優勝と同じくらいうれしい」と笑った。


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岩渕/松井が4度目の優勝。岩渕は全日本最多勝を花道に引退

岩渕/松井の動きは尻上がりに良くなった。「一方的にやられる流れだったが、何とか引き戻し、運よく勝てた」。岩渕はそう話したが、運は、よりそれを望む者に微笑むという。岩見/添田も勝利を渇望し、最後まで戦い続けたが、あと一歩だけ及ばなかった。

「気にしない気にしない、と言い続けていたが、やっぱり絶対勝って終わってやると思って最初は力みまくってた」と松井は振り返った。松井だけでなく、岩渕にも固さが見えた。試合後に「僕のことを粉砕して、二人には優勝して欲しいと本当に思っていたが、すみません」と岩渕が語っていたのは本音だったのだろう。


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