2009年 11月 12日
ワイルドカード森上対ノーシード高雄の準々決勝。しかしそれは引退をかけてシード勢を一蹴してきた元世界41位と、06年優勝者の注目の対決だ。寒空のセンターコート第2試合、森上の雄姿を見届けようと、多くの観客とメディアが詰めかけた。ひざ痛を押して出場している森上だが、見慣れないテーピングは左太ももに巻かれていた。
高雄が小気味よく攻め、森上がかわしながら高雄の甘い球を強いショットで逆襲する展開。第1セット3ー2までは競った展開となるが、森上の球ぎわが少しずつもろくなり、じりじりと離されていく。森上も中ロブを混ぜるなどペースを変えていくが、第1セットはそのまま6ー2で高雄が取った。
左足を踏ん張れない森上のミスが早くなる。それでもストローク一発で劣勢をひっくり返すなど、第2セット序盤は森上もなんとかスコアメークしていく。しかし2ー2から高雄の早い展開の攻めに森上の淡白なミスが続き、一気に高雄が引き離す。森上らしい攻撃的なテニスは終始見られないまま、最後は6ー2。高雄から見れば手堅い勝利だ。06年の優勝時以来2度目のベスト4入りを果たした。
森上の現役生活が今日終わった。全日本のタイトルには最後まで手が届かなかった。「今日は高雄さんが自分のプレーに徹していた。ストレートの展開も早かった。全日本には縁がなかったというのと、それも含めて私には実力がなかったのでしょう」。キャリアを振り返って「最高のテニス人生だった。目標だったアテネオリンピックに出て、夢だったウィンブルドンのセンターコートに立ち、ツアー優勝もできた。たくさんの友人を得たことが一番の財産」と晴れやかに語った。杉山とともに長く日本女子テニスを牽引してきた功労者の引退セレモニーは土曜日に行われる。
倉沢鉄也