2009年 11月 10日
前年準優勝者にして、大会第1シード。先の全米ではクルム伊達らを破って厳しい予選を突破、最新ランキングも148位と上げてきた。瀬間友里加は堂々の優勝候補として全日本に戻って来たはずだった。しかし、不運が彼女を襲った。体調不良で途中棄権。その後、インフルエンザに感染していたことが分かった。
瀬間の様子は最初からおかしかった。好天に恵まれ、汗ばむほどの陽気だというのに、長めのスパッツに長袖のシャツを着込み、足もまったく動いていなかった。どうにかプレーを続けようとしていた瀬間だったが、相手の樋口のプレーにはブレがなく、第2セット、1ー1となったところで棄権した。
波乱は続くもの。2番コートでは鈴木が成瀬にまさかのストレート負けを喫した。「ケガもしてないし、調子もいつも通り。第1セットの2ー2、40ー15でフォアのボレーをミスしてから急におかしくなった。その後はサービスもボレーもリターンもスライスも普段とは全然違う感じになり、修正しきれなくなった。自分でもびっくりしている」とみずから振り返るほど崩れてしまった。「自分はラリーを続けていく中でリズムを作るタイプではなく、ワンタッチで決めていくスタイル。一つ狂うと全てのショットでズレが出てしまう」。

相手の成瀬にとっては「今までで一番大きな勝利」。ただ、この勝利には裏付けもあった。鈴木の練習拠点の一つは早稲田大学。成瀬は学生時代から早稲田のトップとして鈴木とともに練習をしてきた歴史を持っている。「ずっと憧れていた選手。勝っても負けても悔いのないように、自分の全部を出していこうと思っていた。鈴木さんとは一緒に練習してきたので、名前負けもしなかったし、スライスにも崩れず戦えた」と成瀬は勝因を語った。成瀬にとってはいつか超えたい存在であり続けたのだろう。「プロ1年目には結果が出せず、苦しかった。それでも諦めず、2年目の今年は色々と考えながら毎日を過ごしてきた」。今大会も予選からの出場だ。成瀬の快進撃は続いている。
浅岡隆太