2009年 11月 9日
どの選手も大会の初戦は難しいと口をそろえる。まして、相手は園田学園女子大学時代の2007年には全日本学生室内で優勝している試合巧者の大西。第6シードとして2回戦から登場した18歳の土居に、厳しい試合が待っていた。第1セットは2度、先に相手サーブを破りながら、ダブルフォールトを連発してサービスゲームを3度ダウン。第2セットもブレーク直後にブレークバックされる苦しい展開で、なかなか本来のリズムをつかめなかった。
ようやく本来のプレーが戻ったのは第2セットの終盤。5ー5から得意のフォアが決まって相手サーブを破ると、そのまま押し切って1ー1のセットオール。最終セットでは主導権を握り、4度目のマッチポイントでバックハンドをダウンザラインに決めて、利き腕の左手で力強いガッツポーズを披露した。
「初戦ということもあって緊張していた。何も分からない状態からのスタートだった」。2時間33分の苦しかった試合を土居がこう振り返った。全日本の本戦は、主催者推薦で出場して1回戦を突破した2007年以来2度目。とはいえ、昨年末にプロ転向しただけに、ジュニア時代とは大会に臨む気持ちは違った。「ジュニアの時は全日本ジュニアなどに照準を合わせていたが、プロは全日本で勝ちにいく」。自分でも想像していなかった緊張感でプレーが乱れた。「サーブが思ったより入らなかった。これからの課題」と反省したサーブでは、ダブルフォールト12本を数え、得意のフォアでも再三、ミスが出た。それでも勝ち上がったことがこの日の最大の収穫だろう。
今年に入ってITFサーキットで優勝するなど急成長を続ける。世界ランキングも100位台に入ったが、「全日本はどんどんチャレンジしていく大会」と今回は無欲で臨んでいる。「ここでの試合が次につながればいい」と言う土居の次の相手は森上。「日本を背負い続けてきたプレーヤー」(土居)だけに相手に不足はない。森上と比べて勝っている部分を尋ねられると、「勢い」と答えた土居。故障上がりの森上は今回ノーシードだが、ツアー優勝経験のある元世界41位が相手なら、18歳には敗れても失うものは何もない。「チャレンジ精神を忘れずにプレーしたい」という土居が本来のプレーを取り戻して臨めば、森上との一戦は面白くなるはずだ。
谷 祐一