2008年 11月 8日

岩渕と松井のペアは5年目に入り、この全日本は過去3勝で2連覇中。今大会も優勝が期待されている。1回戦の相手はダブルスで実績のある佐藤と、期待の若手である杉田のコンビ。国内のフューチャーズで2度ベスト4を記録する強敵だ。
しかし、意外にも試合は一方的となった。「1回戦にしてはタフな相手だったので、逆に気を引き締められた。いい試合ができた」と岩渕。その言葉通り、試合はほとんど岩渕/松井のワンサイドマッチで、許したブレークポイントは3回だけ。それもサービスエースであっさりとしのいで見せ、ピンチらしいピンチはほとんどなかった。ほぼ完璧な内容だった。
岩渕/松井組は、強気で前向きなプレーが身上の松井を岩渕がフォローするケースが多いが、松井が突いて岩渕が決めるパターンだけでなく、松井が前でプレッシャーをかけてスペースを作り、岩渕が後ろから崩す形もある。硬軟自在な両者のダブルスには隙が少なく、攻守の切り替えも早い。岩渕/松井が優勝すれば、同一ペアとしては1974~76年の坂井利郎/平井健一以来の3連覇となり、通算4度目の優勝は、ペアとしては歴代最多となる(岩渕のダブルス通算7勝はすでに歴代最多)。
岩渕は今大会が最後の舞台。だが、岩渕はもちろん、パートナーの松井にも変な緊張感はないという。「最後の試合が終わるまでは、なるべく考えないようにしてます。いろんな気持ちは終わった後で出せばいい。気持ちで空回りしないようにしたい」と松井は言う。「自分はとにかくリターンとサービスを入れて、岩渕さんにボレーを決めてもらう。そういう感じです」。
岩渕もいい意味でリラックスしている。楽天ジャパンオープンでは調子が悪かったというサービスも再調整。この日はピンチでサービスエース連発するなど、きっちりと合わせてきた。「トシ(松井)とのペアも熟成が進んできて、息も合う。今はいいダブルスを見せることだけを考えて、結果として優勝できれば言うことはないと思っている」と静かに闘志をみなぎらせている。
浅岡隆太