2008年 11月11日
男子選手の中で2番目に若い高校3年の守屋宏紀(荏原SSC)が2年ぶりに出場した全日本で、優勝4度の第2シード、本村剛一(北日本物産)をストレートで破る金星を挙げた。高校総体、全日本ジュニア(18歳以下)を制して、ワイルドカードをもらっての出場。まだ幼さの残る18歳は、「相手のことを意識せずにできた」とセンターコートでの試合を振り返った。
本村と対戦するのは4度目。今年は9月からフューチャーズの大会に挑んで、3大会連続で2回戦で当たっていた。初対戦では第1セットを奪いながら逆転負け。その後の2試合は競り合いながらも、セットを取れずに連敗。威力のあるバックハンドのクロスを駆使する34歳のベテランに、少し苦手意識が芽生えかけていた。
「本村対策」は特に立てていなかった。「考え過ぎると何もできなくなる。自分のテニスをしっかりやるだけ」。ストローク戦では、速いタイミングでの展開を心がけ、バックの打ち合いで何度もストレートにウイナーを放った。勝負どころでは、相手の意表を突いたドロップショットも決めた。普段の試合では余り感情を表に出さない守屋だが、この日は大事なポイントを決めると何度も右こぶしを突き上げた。
ただ、会心の内容という訳ではない。守屋を指導する谷澤英彦コーチは、「勝ったのはうれしいけれど、本村君に元気がなかった。(守屋は)もっと速いテンポでプレーできるのに、大事にいってしまい、思い切りがなかった」とちょっと辛口。守屋自身も「まだ納得いかない部分がある」と手放しでは喜べない様子だ。
今回の全日本は、2回戦で本村と当たる組み合わせというのもあって、特に目標を定めていなかった。「行ける所まで行きたい」と守屋。その視線の先には、1歳上の錦織圭という目標がある。「追いつく、じゃないけど、自分もああいう舞台で戦っていけるよう、しっかり練習していきたい」。今の守屋には一戦一戦が自分を高める貴重な経験になっている。
谷 祐一