全日本テニス選手権89th

出場選手各位

最新のアクセプタンスリスト(PDF)
最新の選考結果通知文 10.29更新
診断書・メディカル評価報告書
出場辞退届出書

お知らせ

2014.11.10

2014.11.09

2014.11.08

2014.11.07

2014.11.06

2014.11.05

2014.11.04

2014.10.29

10月30日(木)分の練習コート受付情報を更新しました。
出場選手各位【全日本選考結果通知文10.29更新】

2014.10.27

プラクティス受付電話番号を更新しました。
出場選手各位【全日本選考結果通知文10.27更新】

2014.10.24

橋本総業全日本テニス選手権89thの特別ルールとして男子・女子・混合のダブルスに出場する際、試合用ユニフォームの背面に選手名を英語表記にてプリントすることを許可致します。
詳しくは、下記のPDFをご覧ください。
ゲームシャツ規定.pdf

2014.10.22
ワイルドカードが決定しました。

各種目のワイルドカードが決定しましたのでお知らせします。

男子シングルス予選:
岡村 一成・越智 真・長船 雅喜・大西 賢

男子シングルス本戦:
近藤 大基・森田 直樹・山﨑 純平・高橋 悠介

男子ダブルス本戦:
ロンギ 正幸・一藤木 貴大/喜多 文明・酒井 祐樹
林 大貴・逸﨑 凱人/今井 慎太郎・古田 陸人

女子シングルス予選:
西本 恵・宮地 真知香・伊藤 佑寧・西郷 幸奈

女子シングルス本戦:
牛島 里咲・川崎 光美・吉冨 愛子・小堀 桃子

女子ダブルス本戦:
川崎 光美・鍋谷 昌栄/磯貝 綾子・福井 恵実
池田 玲・西本 恵/林 恵里奈・梶谷 桜舞

2014.10.21
【重要なお知らせ】 JTAランキングのシステムエラーに伴う女子シングルス、女子ダブルス、ミックスダブルスのアクセプタンスリスト修正について


 本大会の選手選考に採用したランキング(第40週・9月30日発表分)のうち、女子シングルスおよび女子ダブルスランキングについて、システム エラーによるポイント計算の誤りが認められ、本日付けで遡って修正ランキングが発表されました。

 これを受けて、本大会の選手選考に関して、JTA公式トーナメント競技規則17条のルールに基づき、改訂版のランキングを改めて採用し、本日修 正版のアクセプタンスリストを発表することとなりました。

 この影響で、先日発表されたアクセプタンスリストの選考順位に一部変動が発生しています。本戦、予選、補欠のカットラインを跨いだ変動はありま せんでした。ただし、欠場者が出た場合の繰り上げ順位については影響が出ていますので、特に、予選または補欠で受け入れられた選手は、必ず新しい アクセプタンスリストの確認をしていただくようお願いします。

 このたびは、選手および関係者の皆様にご迷惑をおかけし、また、大会のスムーズな運営に混乱を招くこととなりましたことを深くお詫びいたしま す。


トーナメントディレクター 中西伊知郎

2014.10.15
出場選手各位【選考結果についてのおしらせ】

内容は、PDFをご確認ください。
2014 全日本選考結果通知文10.21更新(PDF)

オンラインウィズドロー期間:10月20日(月)13:59まで こちら より送信してください。
これ以降はペナルティーの対象となります。オンライン受付停止以降に出場を取りやめる場合は、
全日本選手権出場辞退届出書10.21更新(PDF)
  全日本選手権出場辞退届出書10.21更新(エクセル)

必要に応じて診断書またはメディカル評価報告書を、下記宛先にFaxにて送信してください。

10月29日(水)までは 日本テニス協会宛て:FAX 03-3467-5192
10月30日(木)以降は レフェリールーム宛て:FAX 03-3529-4906

トップニュース

第89回全日本テニス選手権の特別協賛が、橋本総業株式会社様に決定しました。

第89回全日本テニス選手権の特別協賛が、橋本総業株式会社様に決定しました。 大会は11月2日~9日の8日間、東京・有明テニスの森公園で行われます。

【橋本総業全日本テニス選手権89th】
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 開催日:予選 10月31日(金)~11月2日(日)
     本戦 11月2日(日)~9日(日)
 会 場:有明コロシアム、
     有明テニスの森公園テニスコート(東京都江東区)
賞金総額:賞金総額 26,560,000円
      男子賞金額 13,080,000円
      女子賞金額 13,080,000円
      混合賞金額 400,000円

TV放映:NHK Eテレにて放映予定
      女子シングルス決勝 11月8日(土)14:30~16:00、
      男子シングルス決勝 11月9日(日)15:00~16:30

【10月31日 予選第1日】

第89回橋本総業全日本テニス選手権の予選がスタート。男子シングルス予選では、全日本で3度優勝している第6シードの鈴木貴男(イカイ)ら、女子シングルス予選では第1シードの大前綾希子(島津製作所)らが、予選2回戦に駒を進めた。

[男子シングルス予選1回戦]
1991年以来15度目の出場の鈴木貴男が初の予選出場で1回戦を突破

○鈴木貴男(イカイ) 6-3 6-4 ●綿貫敬介(フリー)

■1990年代後半から2000年代にかけての、日本男子の代表と言えば鈴木貴男だ。全日本には1991年に初出場して以来、ことしで15度目の出場。これまでに3度の優勝経験を持つ鈴木だが、38歳になった今季は低迷が続き、予選からの出場となった。

■「試合をしたい。有明でやりたい。ファンや色んな人に見てもらいたいという気持ちで参戦した」と鈴木は話す。鈴木のような実績を持つ選手が、予選に落ちてまで戦うという例はほとんどない。鈴木自身も「出る、出ないの選択肢はあった」と言いながら「トップにいた選手が、今の全日本の予選の雰囲気やシステムを肌で感じるというのも、今後の自分のテニス人生にとってプラスになる」と前向きに捉えているという。

■実際、鈴木のようなサーブ&ボレーヤーは、今や世界を見渡してもほとんどいない。サービスゲームではもちろん、リターンゲームでも積極的にチップ&チャージを仕掛ける。少しでも相手の体勢が崩れたと見ればスルスルとネットにつめ、ボレーで勝負をする。綿貫は鈴木にまともにラリーをさせてもらえず、最後までリズムを作れなかった。第1、第2セットともに1ブレークずつ。鈴木は「久々に僕らしい勝ち方ができた」と笑顔を見せた。

■鈴木は「夏頃には予選からになると思い、準備はきちっとしてきた」と話す。大会の最初からパフォーマンスが出せるよう、全日本の前には試合を入れず、「やれることはやってきた」という。初戦を見た限りでは、その言葉通りのプレーが出せていたように思う。「ただ後ろから打つだけではなく、ネットへ出て行くことそのものが駆け引き。抜いても抜かれても大事な部分だと思う」。今大会で鈴木が予選から出場したことの意味は決して小さくはない。全日本という大きな舞台で、若い世代の選手たちが鈴木と実戦で戦うこと。若手選手たちにとってそれは大きな経験となり、勉強にもなるはずだ。

(浅岡 隆太)

【11月1日 予選第2日】

男子シングルス予選2回戦で、鈴木貴男(イカイ)が、昨年全日本ジュニア18歳以下を制した越智真(神戸学院大学TC)に完勝。予選決勝(予選3回戦)進出を決めた。また、明日から本戦もスタートし、コロシアム第2試合には男子シングルス第1シードの杉田祐一(三菱電機)が登場。主催者推薦で出場の近藤大基(慶應義塾大学)と対戦する。

[男子シングルス予選2回戦]
鈴木貴男が20歳年下の越智真に圧勝

○鈴木貴男(イカイ) 6-2,6-2 ●越智真(神戸学院大学TC)

■結果からも内容からも、鈴木の圧勝だと言った方がいいだろう。第1、第2セットともに2度ずつ越智のサービスを破った鈴木が試合を完全に支配下に置き続け、まったくと言っていいほど隙を与えずに勝ち切った。「どこかにチャンスが来ると思っていたが、相手のペースに巻き込まれ、そのまま試合をまとめられてしまった」と試合後の越智は話している。

■越智は昨年の全日本ジュニア18歳以下のチャンピオンで、今大会の予選には主催者推薦枠を得ての出場だ。レフティのしっかりしたストローカータイプで、フォアバックともに広角にボールを散らす能力が出色の存在だ。

■「まずリターンをしっかりと打って、ファーストボレーをショートアングルやストレートに沈めて、その次を狙っていた」。「ショートクロスを使って相手を動かして、ネットに来させないようにした」と越智は話していたのだが、これらほぼ全てに鈴木は対応した。越智のリターンが少しでも甘くなれば即座に前に入ってボレーでさばき、ラリーの展開でもスライスとスピンを巧みに混ぜながらリズムを与えずミスを強いた。「ずっとジュニアでやってきて、ああいうタイプの選手との試合は初めて」と越智。「前に入ってリターンを合わせていこうとしたら、ファーストボレーがしっかりとしていて、時間がなくなってしまい、ポイントを失ってしまった」。また、ラリーでも鈴木の低く滑って伸びるスライスにたびたび食い込まれ、得意のはずのフォアでミスの山を築いてしまった。反撃の足がかりもつかめない完敗だった。

■「自分のサービスをしっかりとキープしていければ、プレッシャーもかけられたかもしれない」と越智は振り返りつつ、「何か参考にできるものはあると思う。盗んでいきたい」と鈴木との試合を「勉強になりました」とも話していた。

■2006年のジャパンオープンの鈴木とフェデラーの試合を有明で観戦し、胸を熱くしたという越智は当時10歳。鈴木が初めて全日本を制した1996年に生まれたのが越智だ。

■鈴木との試合も「最初は緊張した」と話したが、それも最初のうちだけで、試合が進むにつれて自分からネットプレーを仕掛けたり、ラリーへ持ち込んだりと何とか突破口を見出そうともがいていた。鈴木に試合を支配されつつも、最後まで勝負を諦めず戦い続けた姿には、今後はプロの道に進み、「錦織のようにテニス界を盛り上げたい」という彼の強い気持ちを感じさせた。日本のテニス界にまた一人、頼もしい選手が現れた。

(浅岡隆太)

【11月2日 本戦第1日】
第1シードの杉田祐一が初戦突破。鈴木貴男は本戦進出を決める

東京・有明コロシアムと有明テニスの森を舞台に、第89回橋本総業全日本テニス選手権が幕を開けた。男子シングルス第1シードの杉田祐一(三菱電機)は1回戦を快勝。ダブルスでは男子の第1シード、内山靖崇(北日本物産)/松井俊英(APF)、女子の第1シード、二宮真琴/田中真梨(ともに橋本総業)とも順当に初戦を突破した。今大会は予選からの出場となった過去3度優勝のベテラン、鈴木貴男(イカイ)は本戦進出を決めた。

[男子シングルス1回戦]
杉田が手負いの近藤を退け、2回戦に進出

○杉田祐一(三菱電機) 6-2,6-2 ●近藤大基(慶應義塾大学)

■東日本選手権を勝ち抜いて主催者推薦枠を獲得して出場してきたのが今年のインカレチャンピオン、近藤。1回戦の対戦相手は第1シードの杉田だった。

■今季の杉田はウィンブルドンで四大大会の本戦に初出場したり、前週のインドのチャレンジャーで優勝するなどして世界ランキングも121位に上げ、上り調子で迎えた全日本だ。近藤としては体調万全で挑んで初めて勝負になるかという強敵だが、左手人差し指を負傷しており、バックハンドがまともに打てず、スライス主体での組み立てではさすがに厳しかった。

■杉田は第1、2セットともに早い段階でブレークして流れをつかみ、2ブレークずつで勝負を決めた。まったく危なげない試合ぶりで、「いいスタートが切れた」と話した。全日本に出る理由は今年も同じ。「自分がジュニアの時に、トップの選手たちと試合ができた。その経験を今の若手にも伝えたいし、自分も若手との試合で忘れていたものに気づいたり、取り戻したりするキッカケになる」と杉田は言う。昨年の大会では準々決勝で西岡良仁(ヨネックス)に敗れたが、「今回は絶対に負けないです」と杉田。「入りがすごくいい。落ち着いてプレーができると思う」と続けた。

■今年の大会に出ている優勝経験者は、杉田のほかは予選から出場の鈴木貴男(イカイ)だけ。その分だけ重圧も大きいはずで、杉田も「(相手も)実力以上のものが出る大会」と気を引き締めつつ、「第1シードらしい戦いをしたい」。若手の挑戦を受け止めつつも、杉田らしいチャレンジングなテニスで戦い抜けるか。3度目の優勝を目指してまずは1勝を挙げた。

(浅岡隆太)

[女子シングルス1回戦]
インカレ女王の吉冨が初戦突破

○吉冨愛子(早稲田大) 1-6,7-6(5),6-3 ●秋田史帆(フリー)

■今年の全日本学生選手権女子シングルスを制した吉冨が、同じ愛知出身で3年先輩の秋田に粘り勝った。第1セットはパワフルな秋田のショットについていけずに1-1から5ゲームを連取されて落とした。「ボールの速さが学生の大会と違った。また、全日本の雰囲気に飲まれて、機敏な動きができなかった」と吉冨。秋田の強打に対応できるようになったのは第2セットで0-3とされたあたりだという。

■秋田が放つショットを諦めずに追いかけて粘って返球し、甘いショットを切り返す。強打が簡単に決まらなくなると、秋田にミスも増えて徐々に吉冨がペースを握った。タイブレークを7-5で取った吉冨が第2セットを取り返すと、最終セットは2-3から4ゲームを連取して、昨年の毎日選手権で2-6、3-6とストレート負けを喫したパワーヒッターに雪辱した。

■吉冨は愛知・椙山女学園高3年だった2011年に高校総体で優勝。その年から3年連続で全日本の予選に挑戦してきたが、本戦出場は果たせず、今回はインカレ優勝でワイルドカード(主催者推薦)をもらっての初出場だった。今年3月には全日本室内に出場したが、その時は1回戦で1ゲームしか取れずに完敗。吉冨は「相手を見て強いと思ってしまうと、萎縮して自分のプレーを出せない自分がいた。この全日本では自分を出せるようにしたい」という思いで臨んでいた。3時間12分のマラソンマッチを制した吉冨は「途中から自分のいいプレーができた」と記者会見では笑顔が絶えなかった。

(谷 祐一)

【11月3日 本戦第2日】
女子単第1シードの江口が快勝。昨年準優勝の今西は敗退

男女シングルスは1回戦の残り試合を行った。女子シングルス第1シードの江口実沙(北日本物産)は順当に初戦を突破、第2シードの桑田寛子(島津製作所)も2回戦に進出したが、第3シードで昨年準優勝の今西美晴(島津製作所)は田中真梨(橋本総業)に逆転で敗れた。男子シングルス第2シードの内山靖崇(北日本物産)、同第3シードの仁木拓人(柴沼醤油販売)は順当に2回戦進出を決めた。

[女子シングルス1回戦]
「今年はいい流れ。優勝したい」。第1シードの江口が快勝

○江口実沙(北日本物産) 6-0,6-2 ●田中優季(メディカルラボ)

■7月のアゼルバイジャン・バクーのツアー大会でベスト8に進出するなど、今季好調の江口。世界ランキングも120位台まで上げ、今大会は第1シードでの出場となった。「今年はいい流れで来ているので、このままの勢いで優勝したいと思います」と江口は試合後、力強く話した。

■持ち前のフォアの強打を左右に散らした江口が序盤から圧倒。相手を押し込んで前に入って決めるパターンでポイントを積み重ね、そのまま最後まで押し切った。

■持ち前の強打による攻撃に加え、フィジカルの向上で動きがよくなり、守備範囲が広がってチャンスを多く作れるようになったという。173センチと体格に恵まれ、ジュニア時代から本格派のパワーヒッターとしての成長を期待されていた。小柄な日本女子選手はその不利を埋めるための何かが求められるが、この体格があれば、オーソドックスなアプローチでも世界で戦える有利さがある。その素質がここにきて開花しつつある。

■かつての全日本チャンピオンで、世界39位を記録、フェド杯代表としても活躍した小畑沙織が7月からコーチとして遠征に帯同している。戦術家として知られた小畑コーチと活動して「戦術の幅が広がった」という。一番欲しい要素だっただけに、このコンビには期待が膨らむ。

■第1シードとして戦う全日本に緊張感は高いというが、それだけ勝ちたいという気持ちも盛り上がっているようだ。22歳の江口が初優勝に向けて一歩を踏み出した。

(浅岡隆太)

[男子シングルス1回戦]
ベテラン鈴木が2年ぶりに初戦突破

○鈴木貴男(イカイ) 7-5,1-6,6-3 ●志賀正人(フリー)

■全日本の初出場は高校3年だった94年という鈴木。初めて予選から出場してつかんだ14回目の本戦には、赤のウエアで臨んだ。「気持ちを乗せるために僕は赤の方がいい。赤だとちゃんと準備してるな、と思える」。本戦に臨む気持ちは予選の時とは違った。相手の志賀は、慶大を今春卒業してプロに転向したストローカー。フューチャーズで2回対戦して1勝1敗と星を分けていたが、6月のかしわ国際オープンではストレート勝ちしていて、「いいイメージを持って臨めた」。

■サーブ・アンド・ボレーという古典的なスタイルを貫く38歳だが、サーブに全盛期の威力はなくなった。この試合では3セットで合わせて6回サービスをブレークされた。その一方で、リターンダッシュや巧みなドロップショットなど小技を織り込んだプレーで、志賀のサーブも6回ブレークする「ブレーク合戦」に持ち込んだ。最終セットの終盤は、志賀がリターンポジションを下げているのを見てとると、ボレーに出るタイミングを遅らせて貴重なサービスキープを果たして、全日本で2年ぶりの白星を勝ち取った。

■「予選の時より、いいプレーの回数が多かった。内容に満足している」と鈴木。試合が行われた2番コートは終了までファンが取り囲み、「お客さんが多かったし、寒かったけど最後までいてくれた」と満足げだ。2回戦では第6シードの関口周一(イカイ)と対戦する。「次の対戦が楽しみ。今のテニス、体調、メンタルでどこまでいいプレーができるか。勝つチャンスはあると思う」。男子出場選手で最年長の大ベテランは、全日本という舞台を楽しんでいる。

(谷 祐一)

【11月4日 本戦第3日】
男子の第1シード杉田が順当勝ち。第3シードの仁木は敗れる

シングルス、ダブルスとも波乱の多い1日となった。男子シングルスでは、第1シードの杉田祐一(三菱電機)が順当に8強入りを果たしたが、第3シードの仁木拓人(柴沼醤油販売)は小ノ澤新(イカイ)に敗れ、第4シードの吉備雄也(ノア・インドアステージ)は江原弘泰(日清紡ホールディングス)に屈した。ダブルスでは第1シードの内山靖崇(北日本物産)/松井俊英(APF)が笹井正樹(フリー)/野口政勝(京都東山テニスクラブ)に敗れる波乱があった。女子シングルスの第2シード、桑田寛子(島津製作所)は準々決勝進出を決めた。

[女子シングルス2回戦]
第2シードの桑田、4年ぶりの8強進出

○桑田寛子(島津製作所) 6-4,7-6(5) ●越野由梨奈(フリー)

■桑田が早稲田大学2年で準決勝に勝ち上がった2010年大会以来となるベスト8にコマを進めた。今季はWTAツアーの本戦出場も果たし、最新の世界ランクは154位まで上がってきた23歳。1回戦、2回戦ともストレート勝ちで、第2シードとして堂々たる勝ち上がりと言いたいところだが、2試合とも第2セットはタイブレークに持ち込まれて、ちょっと苦労している感じも否めない。

■「(越野は)粘ってくるのでやりにくいタイプ。我慢が必要だと思っていた。ファイナルにもつれると苦しいと思っていたので、2セットで締め切れたのはよかった」。2セットに1時間56分を要したが、「調子はいい」と桑田は気にしていない。ただ、第2セットでは4-4から相手サーブをブレークしながら、越野の粘りにミスを重ねてブレークバックを許してしまった展開には、「もう少し楽に勝てるところもあったので、そこを修正していきたい」と反省も口にした。

■プロに転向して2年目。昨年末には420位だった世界ランクを今季は急上昇させて、ツアー本戦で初勝利を飾ると、全米オープンでは初めての四大大会の予選挑戦も果たした。「学生のころは全部のボールを強打するテニスだったが、今は強打を生かすために、我慢するボール、作るボールを入れていかないといけない。それを1年間やってきた」と桑田が自己分析した。

■全日本では今回、初めてシードがついた。第2シードに入ったが、「シードをプレッシャーとは感じていない」と桑田は言う。「チャンスはあるので、優勝したいと思ってやっている」。全日本学生(インカレ)を3連覇している桑田が全日本のタイトルを取れば、97年の遠藤愛(当時・筑波大大学院)以来となるインカレ女王の全日本制覇となる。

(谷 祐一)

[男子シングルス2回戦]
斉藤が第8シード近藤を倒し、ベスト8進出

○斉藤貴史(津幡町テニス協会) 4-6,6-1,6-3 ●近藤大生(アイシン精機)

■斉藤は石川県津幡町出身で、現在も在住、所属先も同町テニス協会だ。町の公営コートで実施されていたテニス教室でテニスを始め、今も同町と隣りの金沢市を拠点に選手活動を行っている。

■「錦織選手みたいにスピードを生かしたプレーが目標。自分も動きの速さには自信がある」という斉藤。第1セットは相手のサーブに苦しんだが、第2セット以降は近藤のサーブの確率が下がったこともあって勢いに乗り、そのまま逆転で勝利を決めた。今大会の1回戦が全日本での初勝利で、もちろん初のベスト8入りだ。

■「(近藤とは)ここ1年で2度対戦して2度とも負けていたのでいいイメージはなかった」と言いながらも、「いつもボレーに捕まっていたので、今日はパッシングショットを強く打ったり、ロブを打ったりして、ポイントを取れるようにしようと思った」と十分に対策を練って臨んだ。連敗の経験を大舞台で生かした快心の勝利と言っていいだろう。

■一方、臀部の故障で7月以来の公式戦となった近藤。鈴木貴男(イカイ)と組んだダブルスは1回戦で敗れており、シングルスで雪辱という気持ちも強かったはずだが、プレッシャーのかかる全日本が復帰戦という条件は、さすがのベテランにも厳しかったのかもしれない。

(浅岡隆太)

【11月5日 本戦第4日】
男子の第2シード内山が順当勝ち。予選から出場の鈴木は関口に敗れる

男子シングルスでは第2シードの内山靖崇(北日本物産)と第6シードの関口周一(イカイ)が順当にベスト8進出。片山翔(イカイ)も2年ぶりに準々決勝に進んだ。予選から出場の鈴木貴男(イカイ)は関口にストレートで敗れた。女子では第1シードの江口実沙(北日本物産)、第6シードの瀬間詠里花(ClubMASA)とともに田中真梨(橋本総業)が8強入りした。

[男子シングルス2回戦]
初優勝を狙う内山が1回戦に続き快勝でベスト8に進出

○内山靖崇(北日本物産) 6-1,6-2 ●松尾友貴(イカイ)

■1回戦では完封勝ち。続く2回戦もわずか45分での快勝だった。「出だしから最後まで集中してプレーできた」と内山は試合を振り返った。ほとんどエラーを出さない内山に対して、逆に松尾は我慢しきれずミスの山を築き、武器の強打を完全に封じられた。「自分からの失点が少なかったので、リズムがよくなり、ポイントを積み重ねられたのでリラックスしてプレーできるといういい循環だった」と内山は言う。これ以上に付け足す言葉のない完璧な試合運びだった。

■内山のランキングは262位。全豪オープンに向けては、もう少し上げておかないと予選の出場は微妙。内山もこの大会の後に続くチャレンジャー大会に集中したいという気持ちはあったと言いつつも、「それが全日本をスキップするという理由にはならない」と言い、「まずはここでいいプレーがしたいと思う」と続けた。

■詳しくは企業秘密のようで話してくれなかったが、内山は今、自分のテニスを改造中だという。この秋にあまり勝てていなかったのもその影響で、本人としては折り込み済みのことだという。「結果として勝ちは出ていないが、内容的にはよくなってきている」と手応えがあるのだと内山は話している。

■第2シードとしての出場であり、ナショナルメンバーとして当然優勝を期待されているのが内山。プレッシャーはないかという種類の質問には「結果よりも自分がやるべきことをやって、しっかりと準備すること、自分のプレーをすることが大事だと思っている」と繰り返していた。「大事なのは次の試合」。トップ選手たちは誰もがそう口にするが、内山もまた自分にそう言い聞かせていた。こういう時の選手は強い。この大会の内山はやってくれそうだ。

(浅岡隆太)

[女子シングルス2回戦]
3年前の準優勝者、瀬間詠が高畑下して4年連続ベスト8に進出

○瀬間詠里花(Club MASA) 6-3,6-3 ●高畑寿弥(橋本総業)

■瀬間詠が1回戦に続いて2回戦もストレート勝ちして、4年連続でベスト8に進出した。1回戦の二宮真琴(橋本総業)戦は7-6、6-4と苦しめられたが、2回戦では終始先手を取って、サウスポーの高畑を退けた。「左利きの姉(友里加)と練習しているので、やりにくさはなかった」と瀬間詠。ダブルスを得意とする高畑が、スライスを交えてネットプレーを仕掛けてきても、うまくロブを織り込みながら、パスで抜いて主導権を渡さなかった。「自分のプレーで勝てたのはよかった」と瀬間詠は納得の表情だ。

■コートサイドでは全日本男子で優勝経験を持つ石井弥起コーチが瀬間詠のプレーを見守っていた。3年前には114位まで上がった世界ランクを200位台後半まで落とし、瀬間詠がリクエストして7月から指導を受けている。「打ち方が良くなったし、戦術面でも教えてもらっているので、プラスになってます」と瀬間詠は話す。

■全日本は昨年まで3年連続で第1シードだったが、今回は第6シード。第1シードの重圧から解放されたかと問われると、「(第1シードのプレッシャーは)あまりなかったので、相変わらずです」とはぐらかした。ただ、まだつかんでいない全日本のタイトルにかける思いは人一倍強い。「全日本は特別な大会。誰でも取りたいと思っていて、準備の仕方が違う。私も大事にしている大会」。3年前の準優勝をピークに、一昨年はベスト4、昨年はベスト8と成績を落としてきたが、石井という全日本の戦い方を知るコーチを得た今回はひと味違う。

(谷 祐一)

[女子シングルス2回戦]
12回目の出場となる田中が久見を破り2年連続で8強入り

○田中真梨(橋本総業) 7-6(4),6-2 ●久見香奈恵(フリー)

■女子では波形純理(北日本物産)の14回に次ぐ12回目の出場となる田中。高校1年で初出場を果たしたが、なかなか準々決勝でまで上がれなかった。それが昨年、2回戦で第2シードの尾崎里紗(江崎グリコ)に快勝、11年目で初めて壁を突破すると、今回は1回戦で昨年準優勝の第3シード、今西美晴(島津製作所)に逆転勝ちして、その勢いで2回戦を突破した。

■普段は大会会場の有明テニスの森公園で練習している。今西戦では、「いつも通りにやれば、と思っていた。相手にはプレッシャーがあるし、私はホームなので、そういうアドバンテージがある」と楽な気持ちで臨んだ。「(回りには)向こうが勝つだろうと思われているのは分かっていた。『やっぱり』と言われるのが悔しいので頑張った」という反発心もフルセットで逆転勝ちする粘りにつながった。所属する橋本総業が今回、大会スポンサーを務め、会場には多くの関係者が詰めている。「応援が多くて、力になってます」。昨年に続く2回目となる準々決勝。03、04年と高校総体を連覇した27歳は「今回は気持ちに余裕がある。去年よりいいかな」と話す。

(谷 祐一)

【11月6日 本戦第5日】
女子第1シードの江口、男子第1シードの杉田が順当にベスト4入り

女子シングルス準々決勝の4試合が行われ、第1シードの江口実沙(北日本物産)、第6シードの瀬間詠里花(Club MASA)、第7シードの澤柳璃子(ミキハウス)、鮎川真奈(橋本総業)がベスト4に進出した。2試合行われた男子シングルス準々決勝では第1シードの杉田祐一(三菱電機)と斉藤貴史(津幡町テニス協会)が4強入り。男子ダブルス準決勝では仁木拓人(柴沼醤油販売)と吉備雄也(ノア・インドアステージ)のペアが決勝進出を決めた。

[女子シングルス準々決勝]
第1シード江口が加藤に快勝

○江口実沙(北日本物産) 6-1,6-3 ●加藤未唯(佐川印刷)

■173センチと大柄な江口と156センチと小柄な加藤。パワーでは勝る江口だが、軽快なフットワークを武器に小技も駆使して崩してくる2歳下の加藤との対戦にはいいイメージがない。「ジュニアの時に負けているし、(2年前の)全日本室内でも負けているから」。全日本室内は第1シードで臨みながら、主催者推薦で出てきた加藤に1回戦で敗れている。「運動神経がよくて、スライスとか混ぜてきて、何をしてくるか分からない」というのが江口の加藤評だ。

■しかし、世界ランクを130位まで上げてきた今の江口には、加藤の多彩な攻めに動じない強さがある。第1セットは相手のセカンドサーブを攻め、ラリー戦でもじっくり打ち合ってチャンスを待って持ち前の強打でポイントを重ねた。加藤のお株を奪うようなドロップショットも決まって、第2ゲームから6ゲームを連取。「第2セットは危ない場面もあったけど、第1セットをすんなり取れたので、余裕があったのかな」と振り返ったように、中盤でブレーク合戦になった第2セットでは、デュース5回ともつれた第6ゲームでブレークを果たすなど、粘り強いプレーで苦手な加藤をストレートで下した。

■この日の準々決勝を含めて3試合、6セットを戦って落としたのはわずか10ゲーム。圧倒的な強さで勝ち上がったように思えるが、「自分としてはうまくいってない部分が多い」と江口は言う。ランキングで格下になる相手との対戦が続くだけに、「内容的にもっと押せるんじゃないか、もっと攻めていけるんじゃないかと自分に求めてしまう部分が多くなる」。全日本を戦っていても、ネットの向こう側にツアーレベルで対戦する相手を見てしまう。

■江口は「強い選手は、勝負所で仕掛けるところだったり、大事なポイントを取りに来るところなんかが違う。それができるようになりたい」と目指すプレーを話す。この日の準々決勝では、大事なポイントでそれがどこまで出来たのか。「まだまだです。でも何とか取れたので」。はじけるような笑顔が江口の好調ぶりを表していた。

(谷 祐一)

[男子シングルス準々決勝]
杉田が貫禄の圧勝でベスト4に進出

○杉田祐一(三菱電機) 6-1,6-0 ●菊池玄吾(エキスパートパワーシズオカ)

■同じ仙台出身で、出身クラブも同じ二人の対決だったが、杉田が貫禄の違いを見せつけての圧勝でベスト4に進んだ。菊池の武器はサービスと思い切りのいいストロークの攻撃だが、杉田は日本男子屈指のリターンの名手。菊池はサービスでペースをつかめず、また、ラリーでは杉田の早いタイミングに付いていけずに後手に回らされ、反撃の糸口をつかめないまま1時間1分で勝負は決まった。「昔から注意している選手だった。当たった時にはすごいプレーをする。相手のペースにさせないプレーを心がけた」と杉田。杉田自身は内容的にもっと詰めていく必要を感じた試合だったと振り返ってもいるのだが、それは彼が目指しているレベルが高いからだ。

■全日本はジュニアからベテランまで、かなり幅の広い選手たちが出て来る大会。杉田レベルの選手になると、ただ試合に勝てばいいというのでなく、ある程度高いハードルを自分に課しておかないと対戦相手によっては調子が崩れてしまうこともありうる。

■杉田はアジア大会前後の不調期に逆にヒントをつかみ、この1カ月積んできたというトレーニングが今の好調につながっているというのだが、「今の状態を維持できれば、来年はかなりのビジョンが見えそうな状態。ここで崩したくない。向ってくる選手たちが多いのが全日本。自分を見失わないことが大事になる。大きな山場」と表情を引き締めていた。

(浅岡隆太)

[男子シングルス準々決勝]

○斉藤貴史(津幡町テニス協会) 7-5,6-1 ●小ノ澤新(イカイ)

■斉藤貴史のコメント「第1セットはリードされたが、冷静に戦った結果、ぎりぎりで取れた。相手の気持ちがダウンして、第2セットも取ることができた。うまく行かない中、冷静にプレーできたのがこの結果につながった。準決勝(杉田戦)もいい試合をして、できれば勝ちたい」

[女子シングルス準々決勝]

○澤柳璃子(ミキハウス) 6-2,6-3 ●桑田寛子(島津製作所)

■澤柳璃子のコメント「1、2セットとも0-2とされて、きつい場面もあったが、最後まで攻め切れた。自分が出来ることをしっかり出来て、全体的に押してる場面が多かった。準決勝でも、今日みたいにやるべきことをしっかりやりたい。体が思っている以上に動いて、状態はすごくいい」

[女子シングルス準々決勝]

○瀬間詠里花(Club MASA) 3-6,6-1,6-4 ●田中真梨(橋本総業)

■瀬間詠里花のコメント「最終セットの最後は何とか気持ちで終わらせることができた。(江口との準決勝で)ランキングは関係ない。誰が勝ってもおかしくないのが全日本。相手には関係なく私らしいプレーで全力を尽くしたい」

[女子シングルス準々決勝]

○鮎川真奈(橋本総業) 6-0,6-1 ●瀬間友里加(Club MASA)

■鮎川真奈のコメント「攻めなければ自分ではない。相手に打たれても自分のペースに戻せるようになったのが、今のいいテニスにつながっている。自分の力を出せればチャンスはあると思う。平常心を保ってこのまま行きたい」

【11月7日 本戦第6日】
女子単決勝は江口と澤柳。男子は内山と江原が準決勝へ

女子シングルス準決勝は、第1シードの江口実沙(北日本物産)と第7シードの澤柳璃子(ミキハウス)が勝ち上がった。11月8日の決勝でともに初優勝に挑む。男子シングルスでは、第2シードの内山靖崇(北日本物産)とノーシードの江原弘泰(日清紡ホールディングス)が準決勝に進出。8日の準決勝では、第1シードの杉田祐一(三菱電機)とノーシードの斉藤貴史(津幡町テニス協会)、内山と江原がそれぞれ対戦する。また、男子ダブルスでは第2シードの佐藤文平(ライフ・エヌ・ピー)/片山翔(イカイ)組が、女子ダブルスではノーシードの日比野菜緒(橋本総業)/澤柳組が、最終日の決勝に進んだ。ミックスダブルスは、第1シードの片山/波形純理(北日本物産)組と綿貫裕介 (橋本総業) /二宮真琴 (橋本総業)組が決勝に進んだ

[女子シングルス準決勝]
粘る瀬間詠里花を江口実沙が振り切って決勝に進出

○江口実沙(北日本物産) 6-3,7-5 ●瀬間詠里花(Club MASA)

■第1セットであっという間に5-0とリードしたのは江口だった。だが、江口はここから瀬間に3ゲームを連取されてしまう。「最初は攻めて攻めての展開で、このまま取りたいと思い過ぎて消極的になった」と江口は振り返っている。「第1セットをなんとか取れたことで、第2セットの競った場面でも、なんとかなるかと思った」。

■第2セットは第3ゲーム以降は8ゲーム続いてのブレーク合戦。「サービスに苦手意識があり、弱気になってリターンから攻められてしまった」と江口は話していたが、第2セットの瀬間詠は明らかにラリーをつなげようとしており、江口もまた自分から攻めるという意識が薄くなっているように見えた。

■最初の頃は江口も左右にフォアを散らして瀬間詠を走らせていたが、瀬間詠が守備の意識を高め、すべてのボールに食らいつくような動きを見せてカウンターを決め始めると、江口も自分から角度をつけるよりセンターに深くという形が増え、お互いに我慢比べの展開となった。「5-5でキープできたのが大きかった」と江口。ここまで耐えてきた瀬間詠だったが、この時点ではさすがに脚の動きが止まり始めていた。結果的に勝敗を分けたのは、瀬間詠が第1セットの序盤にリードを許してしまったこと、という試合になった。

■「強い人はみんな取っているタイトル。自分もそこに名前を載せたい」と江口。決勝の相手は澤柳璃子(ミキハウス)。国際大会では2011年に2度戦って2勝している相手だが、今年3月の全日本室内の1回戦で対戦したときには、フルセットで敗れている。両者ともに初の決勝進出。江口は「緊張すると思うが、私にとってはリベンジ。チャレンジャーの気持ちでできたらいいと思う」と話している。

(浅岡隆太)

[女子シングルス準決勝]
鮎川のパワーを澤柳が封じ込み、初の全日本決勝に進出

○澤柳璃子(ミキハウス) 7-6(2),6-3 ●鮎川真奈(橋本総業)

■パワー勝負が生命線の鮎川に対して、なんでもできるのが澤柳の強み。しかし、澤柳は器用な分だけ逆に自分で展開を複雑にし過ぎて、あっさりチャンスボールをふいにしたり、いたずらにポイントを失ってしまう悪い癖がある。両セットともに競った展開になったのは、フォアによる攻撃を絶対的な軸にして戦う鮎川が、ポイントに対して常に真っすぐに組み立ててきていたのに対して、澤柳は様々な展開を使おうとしすぎて逆にミスを重ねていたからだろう。

■「第1セットは5-2にして、そこでリラックスして冷静に臨もうとしたが、身体が動かなくなってしまった」と澤柳。「身体が動いている時が調子がいい時」という澤柳にとっては不調のシグナルと言っていい。以前であればここでズルズルズルと行っていたかもしれなかったが、「5-5、5-6になってからは、あわてず第1セットをしっかりと取れたのがよかった」と澤柳は勝因を分析している。「第2セットももつれたが、終始慌てず、落ち着いてプレーできたかなと思う」。

■やや強い風が吹くなかでの試合。鮎川は積極的にフォアに回り込んでボールを叩き、左右に散らして澤柳に食い下がったが、第2セットの第6ゲームの途中で右手の平のマメを潰してしまい、メディカルタイムアウトを要求。テープを巻いて試合には戻ったが、これ以降はショットに精度を欠き、ここから澤柳に4ゲームを連取されて試合は終わった。

■澤柳にとっては初の全日本の準決勝進出で、さらに決勝進出。決勝に向けて、「いつもと変わらず、チャレンジ精神で頑張りたいと思う」と澤柳は話している。相手は第1シードの江口実沙(北日本物産)だ。

(浅岡隆太)

[男子シングルス準々決勝]
第2シードの内山、順当にベスト4進出

○内山靖崇(北日本物産) 6-3,6-3 ●片山翔(イカイ)

■ストローク力を生かして腰を据えた打ち合いでポイントを重ねる片山が相手だけに、内山は長いラリー戦を想定して臨んだ。それが、ちょっと違った。試合当初から片山が速い展開で再三、ネットプレーを仕掛けてきた。「思っていた片山(のプレー)の印象と違って、攻めてくるのが多かった。最初はびっくりした」という内山が、序盤は押され気味だった。

■ただ、ラリー戦でバックを攻め立て、ネットに積極的にでてきた片山のプレーに、内山は慌てず対応した。バックハンドのスライスを交えて片山の強打をいなし、ネットにでた片山を落ち着いてパスで抜いた。1、2セット中盤で集中力を切らして、1度ずつサービスをブレークされたが、それ以外のサービスゲームでは日本男子で屈指のサーブ力を見せつけた。第2セットの5回のサービスゲームで取った17ポイントのうち、12ポイントは片山にリターンを許さないエースとウイナーだった。

■全日本では2年ぶりの準決勝進出。ただ、世界ランクで自分より上は杉田祐一(三菱電機)だけという中での戦いだけに、「ベスト4では喜べる段階にきていない」と硬い表情を崩さない。試合後の記者会見では優勝への意気込みを尋ねられるたびに、内山は「タイトルは最後についてくるもの」と繰り返す。「(優勝を)今考えても、どうにもできない。今できることに集中したい」。内山の笑顔は決勝戦の後に取ってあるようだ。

(谷 祐一)

[男子シングルス準々決勝]

○江原弘泰(日清紡ホールディングス) 6-1,6-4 ●関口周一(イカイ)

江原弘泰のコメント「久しぶりの(91年生まれの)同期対決で、互いに意識し過ぎたこともあり内容はそんなに良くなかった。第1セットは僕の方がいい流れをつかんで取ることができた。関口選手にはプロになってから差をつけられていたので、何としても勝ちたいというのがあって、第2セットは勝てると思えた時に緊張してしまってラケットが振れなくなった。それでもベスト4に進出できてよかった」

【11月8日 本戦第7日】
全日本女子単は江口実沙が初優勝。男子単決勝は杉田祐一と江原弘泰が対戦

女子シングルス決勝は、第1シードの江口実沙(北日本物産)が2-6、6-1、6-3と第7シードの澤柳璃子(ミキハウス)に逆転勝ちしした。22歳の江口は出場5回目で初優勝。男子シングルス準決勝は、第1シードの杉田祐一(三菱電機)とノーシードの江原弘泰(日清紡ホールディングス)が勝ち上がった。杉田は2年ぶり3回目、江原は初優勝をかけて最終日の決勝に臨む。また、女子ダブルスでは第1シードの二宮真琴(橋本総業)/田中真梨(橋本総業)組が決勝に進出した。

[女子シングルス準決勝]
江口が澤柳の揺さぶりに耐えて全日本初優勝

○江口実沙(北日本物産) 2-6,6-1,6-3 ●澤柳璃子(ミキハウス)

■どちらが勝っても初優勝。序盤の数ゲームはお互いに固さが見られたが、先にブレークに成功して2-0と先行したのは江口だった。だが、「2ゲーム取っていいと思ったが、そこから璃子ちゃんが積極的にプレーしてきた」と江口は振り返る。先に緊張感から抜け出し、ラケットが振れ出したのは澤柳の方だった。澤柳はここから6ゲームを連取して第1セットをモノにした。

■澤柳としては一気に畳み掛けたいところだっただろうが、全日本の決勝という舞台ではよほど実力差が離れていない限り、一方的な流れのままでは終わらない。第1セット終了後にトイレットブレークを取った江口は、「もう後がない。自分の好きなようにやろうと思った」のだという。勝ちを意識し始めた澤柳のショットの精度が下がっていくのと、江口がフォアを広角に散らして澤柳を走らせ、ミスを強いるプレーにスイッチするのが同時に起きる。「江口さんが守りを固めたことと、自分が攻め急いでのミスが多かった」と澤柳は言う。

■第3セットの最初のゲームを40-0からの逆転でブレークされたことで澤柳は、これでさらにリスクを取る必要を強いられ、逆に江口は逃げ切り体勢に入る。「プレーに影響はなかった」とは言うものの、澤柳の右足には軽いけいれんが起きており、落ち着いてポイントを組み立てるという余裕はなくなっていた。「自分が勝つためにはどうするかと考えたときに、相手に打たせないことが大事だと思った」と江口。「走らせた時のスライスがいつもより入ってこなかったので、オープンスペースが開いたらバック、スライスを打たせる展開を使った」のだと江口は話している。「(澤柳は)単複で勝っている。疲れているだろうなと思っていたし、いつもより打ち急いでいるようにも感じた。焦らず、コースを突いて走らせるようにした」。今季はWTAツアーレベルで上位選手たちとの対戦経験を重ねた江口が、冷静に勝利への道筋を描いた結果の勝利だったと言っていいだろう。

■「一番の目標はグランドスラムの本戦に出て、そこで勝つこと。あとほんの少しのところまで来ている」。江口の最新ランキングは130位。彼女はこの後すぐにオーストラリアの5万ドルのITFサーキット大会に飛び、さらに再来週に豊田市で開催される7万5000ドルの大会に出場するのだという。この2大会の結果次第で、全豪オープンで本戦に入れるかどうかが決まる。全日本チャンピオンの来季の活躍に期待したい。

(浅岡隆太)

【男子シングルス準決勝】
第1シードの杉田が苦しみながら決勝進出

○杉田祐一(三菱電機) 3-6,6-4,6-1 ●斉藤貴史(津幡町テニス協会)

■第1シードの杉田が19歳の斉藤にタジタジだった。第1セットはフォア、バックとも積極的にストレートに展開する斉藤に押されて、ラリーでは守勢に回った。「もう少しディフェンシブな選手だと思ったのに、フォアもバックも(ベースラインの)中に入ってきて打ってきた。何も考えずに打ってくるプレーに押され気味だった」と杉田が振り返った。第1セットは先にブレークしながら、斉藤に2度ブレークを許して失った。

■第2セット、4-4で迎えた杉田のサービスが勝敗のキーポイントだった。攻め続ける斉藤が15―40とブレークチャンスをつかんだ。サーブを破られれば苦しくなる杉田だったが、ここで2本、第1サーブをしっかり入れて、甘くなったリターンをオープンコートに決めてピンチをしのぎ、このゲームをキープした。続く第10ゲームでは15-0からサイトに4ポイント連続でミスがでて杉田が第2セットを取り返した。「あれでようやくスキを見つけたというか、相手に迷いが生じたように見えた。そこから一気にいけた」。最終セットは1-1から5ゲームを連取して、世界ランク124位の実力を見せつけた。

■去年は準々決勝で西岡良仁(ヨネックス)に敗れた。そして今回は西岡と同じ95年生まれの斉藤に大苦戦した。「(若い世代の突き上げが)楽しみで全日本に出ている。去年は西岡君に負けて悔しい思いをしたが、彼にあって僕に無いものを感じる部分があった。それは去年の全日本に出てないと分からなかったこと。若手から学ぶものがある」と杉田は言う。高校1年の時から連続出場を続ける26歳が若手の挑戦を退けて、3回目の優勝に王手をかけた。

(谷 祐一)

【男子シングルス準決勝】
ノーシードの江原が第2シード内山を破り初の決勝へ

○江原弘泰(日清紡ホールディングス) 6-2,6-7(5),6-4 ●内山靖崇(北日本物産)

■2時間38分の大熱戦だった。長いラリー戦が続いて互いにコートを走り回り、最終セットでは江原、内山とも足にけいれんがきていたという。「最終セットの終盤、(内山の)動きが悪くなって、苦しいのは僕だけじゃないのが分かって、僕も頑張らなくちゃいけないと思えた」とは江原の言葉。4-4から第9ゲームで内山のサーブをブレークすると、第10ゲームの自分のサービスでは、6回のデュースの末にサービスキープを果たした。4度目のマッチポイントで、最後は内山のリターンがネットにかかった。

■現在の世界ランクは内山の262位に対して、江原は591位。内山にはフューチャーズ、チャレンジャー大会で2連敗、一昨年の全日本でも3回戦でストレート負けしていた。しかしこの日の江原は、スライスも交えて緩急をつけたショットに加えて、ネットプレーも駆使して内山に対抗した。日本男子では屈指の内山のサーブに対してリターンも当たり6回、相手サーブをブレークした。「気合を入れすぎると力んでしまうが、足にけいれんがきたので、逆にリラックスできて、プレーにメリハリをつけられた」と江原が最終セットの粘り勝ちを分析した。

■これまではベスト16が最高成績だった全日本で、初めて頂点まであと一歩のところまできた。江原にとって決勝進出もうれしいが、ここまでの勝ち上がりで第4シードの吉備雄也(世界369位)、第6シードの関口周一(同460位)、そして第2シードの内山とランキング上位の選手を連破して、「自分も世界ランクでもっと上を目指せるという自信」をつかんだことも大きい。決勝の相手、杉田とは全日本での2回の対戦を含め、4回戦って白星がない。「向こうは格上なので、チャレンジャーの気持ちでできるプレーをどんどん出していきたい」。ノーシードの江原に決勝で失うものは何もない。

(谷 祐一)

【11月9日 本戦最終日】
男子単は江原弘泰が全日本初制覇。二宮真琴が女子複、混合複で二冠

男子シングルス決勝は、ノーシードの江原弘泰(日清紡ホールディングス)が第1シードの杉田祐一(三菱電機)に7-6、6-4と競り勝って、初優勝を飾った。女子ダブルスは二宮真琴(橋本総業)/田中真梨(橋本総業)組、男子ダブルスは仁木拓人(柴沼醤油販売)/吉備雄也(ノア・インドアステージ)組、ミックスダブルスは綿貫裕介(橋本総業)/二宮組が優勝した。

[男子シングルス決勝]
ノーシードの江原が、杉田を破って初優勝

○江原弘泰(日清紡ホールディングス) 7-6(7),6-4 ●杉田祐一(三菱電機)

■第1シードの杉田は世界ランク124位。決勝はこれが4回目で、2回の優勝を誇る26歳。対する23歳の江原は世界591位。その上、杉田は準々決勝を木曜に終えていたが、江原は金曜日から3連戦となり、前日の準決勝は2時間38分のロングマッチだった。体力面の不安を含めて江原にいい材料は見当たらなかったが、結果は江原のストレート勝ち。何が起きるか分からないのが全日本の舞台だ。

■江原の持ち味が存分に発揮された。相手を圧倒するような強打はないが、俊敏な動きで幅広くコートをカバーして、バックのスライスを交えて緩急をつけたショットで粘って、相手のリズムを崩していく。ただ後ろで粘るだけでなく、杉田のショットが浅くなると、好機を逃さずネットに出てボレーでポイントを奪う。第1セットのタイブレーク、7-7からの杉田のサーブでは、ネットに出てミニブレークを果たすと、続くポイントではコースを隠したフォアの強打でウイナーを奪い、1時間4分を要した第1セットに決着をつけた。

■第2セットで足に疲れを感じてくると、江原は「ラリーはしたくない」と、サーブ・アンド・ボレーを仕掛けて、杉田を幻惑した。そうして温存した体力を勝負所の第7ゲームで生かした。ネットプレー、ドロップショット、そして最後はフォアの逆クロスと、多彩な技を駆使して杉田からの貴重なブレークにつなげた。

■杉田にもチャンスはあった。第1セットで5-5から相手サーブを破りながら、追いつかれた。このセットのタイブレークでも、先にミニブレークを果たして優位に立ちながら、江原を突き放せなかった。「引き離すべき場面で、引き離せなかったのが敗因」と杉田が悔やんだ。

■09年の全日本ジュニア18歳以下を制した江原だが、プロ転向後は伸び悩んでいた。スペイン、イタリアのアカデミーの門をたたき、昨年1月からはスイスを拠点にして大会を回っている。スイスのアカデミーで練習を積み、目指すべきテニスが見えてきた。「みんながフェデラー(スイス)みたいにしたいと思うが、特別でまねができない。フェレール(スペイン)のようなプレーを目指している」と江原は言う。動きの速さを生かし、長いラリーで自分のペースに持っていく。その中にネットプレーや速い球で相手の意表を突く。そのプレーがこの日の決勝でも出来ていた。「全日本を取ったのを自信にして、次の試合にトライして行きたい」。来年の全豪オープンまでに、「世界ランクを200位台近くまで上げる」のが当面の目標だ。

(谷 祐一)

[男子ダブルス決勝]

○仁木拓人(柴沼醤油販売)/吉備雄也(ノア・インドアステージ) 7-5,6-3
●佐藤文平(ライフ・エヌ・ピー)/片山翔(イカイ)

■仁木拓人のコメント「お互いのプレーを生かして戦うことをテーマにしてやっていた。決勝はセンターコートで緊張したが、数ゲームで楽しんでできるようになった。楽しい決勝でした」

■吉備雄也のコメント「かなり緊張して、仁木選手に負担をかける場面も多かったが、楽しかった。1回戦の鈴木貴男、近藤大生というダブルスのうまいペアに勝てて勢いがついた。僕の中では1回戦がヤマでした」

[女子ダブルス決勝]

○二宮真琴/田中真梨(ともに橋本総業) 6-4,6-1
●日比野菜緒(橋本総業)/澤柳璃子(ミキハウス)

■二宮真琴のコメント「一昨年、昨年と準優勝で、今年は本当に優勝したくて、1月から田中さんとペアを組んで来た。全日本のために試合に出て、練習を積んできた。田中さんと優勝できてうれしい」

■田中真梨のコメント「最初は硬かったが、徐々に雰囲気に慣れて、要所要所で私たちの方がバリエーションが多く、1ポイントを多く取れたのが勝因だと思う。今までミックスダブルスでは優勝できていたが、女子ダブルスではベスト4が最高。ここにピークを持ってこられたのが良かった」

[混合ダブルス決勝]

○二宮真琴/綿貫裕介(ともに橋本総業) 4-6,6-4,[13-11]
●波形純理(北日本物産)/片山翔(イカイ)

■二宮真琴のコメント「ミックスダブルスに挑戦したかったので、すごく楽しみにしていた(女子ダブルスに続いて二冠について)信じられない気持ち。ここまで勝ち残っていたので、両方優勝を狙っていた」

■綿貫裕介のコメント「日本人なら取りたいタイトル。シングルス、男子ダブルス、ミックス関係なく、日本一には変わりない。今年のミックスは例年よりレベルも高いと言われていたなかでの優勝は自信になるし、今後の自分のテニス人生にもプラスになると思う」

※橋本総業 全日本テニス選手権89th も、今日で最終日。期間中会場にお越しくださった皆さま、テレビ、パソコンの前で応援してくださった皆さま、どうもありがとうございました! また来年もよろしくお願いいたします。

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